著者紹介

内容

目次

序　章　政教分離と信教の自由をめぐって（和田　守） 　第Ⅰ部　宗教と政治のあいだ 第１章　アメリカ植民地時代の宗教と政治（小倉いずみ） 　　　　――マサチューセッツとコネチカット 　１ 荒野のアメリカへの移住 　２ 新大陸の開発 　３ 『教会規律の概要』（1648） 第２章　初期アメリカにおける政教分離（大西直樹） 　　　　――マサチューセッツを中心に 　１ 政教分離と宗教的非寛容 　２ 政教一致の構造 　３ ニューイングランドの政体の特質 　４ 公民資格の変遷 　５ イングランドにおける寛容政策とニューイングランドにおける非寛容政策 　６ 「チャーター」問題 　７ 相次ぐ植民地批判 　８ チャーター返還と、新チャーターの発布 第３章　神話と現実（デイヴィッド・ホール：大西直樹訳） 　　　　――合衆国における政教分離 第４章　近代日本における政教分離（和田　守） 　　　　――国家神道体制と信教の自由 　１ 祭政一致と神道国教化 　２ 政教分離・信教自由論の台頭 　３ 「日本型政教分離」の成立 　第Ⅱ部　政教分離の展開 第５章　アメリカのクリスマス（大西直樹） 　　　　――政教分離の問題 　１ クリスマスとは？ 　２ ニューイングランド・ピューリタンのクリスマス拒絶 　３ 独立革命前後のクリスマスの受容 　４ 19世紀のクリスマスの希求と定着 　５ 20世紀における最高裁のクリスマス判断 　６ 政教分離とクリスマス 第６章　アメリカの移民政策と“ＷＡＳＰ”（五味俊樹） 　　　　―― 見えざる「国体」をめぐって 　１ 〈移民国家＝アメリカ〉の理想像とその実相 　２ 19世紀におけるアメリカの見えざる「国体」の姿・形 　３ 20世紀初頭における移民規制政策と「排日移民法」の制定 　４ 「排日移民法」に対する日本のキリスト者の反応 　５ アメリカの理念を汚したもの 第７章　天皇制国家と信教の自由（和田　守） 　　　　――立憲政治の展開を通して 　１ 教育勅語と信教の自由 　２ 帝王神権国体への同調と批判 　３ 大正デモクラシーとキリスト教 　４ 宗教の国家統制への抵抗と同調 　第Ⅲ部　宗教と政治の現在 第８章　「宗教と政治」の現在（千葉　眞） 　　　　――政治理論の視点から 　１ 「宗教と政治」の今日的位相 　２ 強固な世俗主義——リチャード・ローティ 　３ リベラルな世俗主義—―ジョン・ロールズ 　４ 公共宗教の擁護―—ホセ・カサノヴァ 　５ 価値並行論における宗教の位置づけ——南原繁 　６ 宗教と政治との批判的対話に向けて 第９章　カナダに独自な政教分離の試み（加藤普章） 　　　　――憲法と教育制度 　１ 歴史的に見た国家と宗教の関係 　２ 教育制度と宗教 　３ 1982年憲法の登場と政教分離 　４ カナダ型の政教分離モデル 第10章　戦後日本の政教分離と靖国問題（千葉　眞） 　１ 近代天皇制と政教分離 　２ 戦後日本の靖国問題—―その歴史的検証 　３ 靖国問題と政教分離の原則 　４ 永遠平和の森の提唱——新しい追悼・慰霊・世界平和祈念館 　５ 象徴天皇制、靖国問題、自民党憲法改正草案 あとがき 人名・事項索引