内容

目次

序文 　略語集 　各章の要旨 第1章　保健医療支出の財政的持続可能性：医療における費用に見合う価値 　第1節　序論 　第2節　保健医療支出：ここ数十年間の展開 　　2.1　総保健医療支出の伸び 　　2.2　国ごとの重要な相違 　　2.3　経時的支出と追い上げ 　第3節　医療サービスの要素別支出 　第4節　医療支出の増加要因 　第5節　財政的持続可能性は将来的に問題になるだろうか 　第6節　財政的持続可能性は現在において問題があるか 　　6.1　医療支出の抑制圧力はどこでもっとも強くなるか 　第7節　どうすれば医療制度の経済的持続可能性を確保することができるか 　第8節　結論 第2章　財政逼迫時の保健医療政策：費用対効果を高める政策 　第1節　序論 　第2節　政策選択の概観 　第3節　保健医療支出を抑え、費用対効果を高めることを目的とした供給サイドの政策 　　3.1　各国間の差異と効率向上の余地 　　3.2　保健医療へのインプット供給量の調整 　　3.3　価格と賃金の統制 　　3.4　予算上限と制約 　　3.5　供給サイドの業績を改善するためのインセンティブの活用 　　3.6　保険および提供者市場における競争 　　3.7　医療の質を向上するためのデータシステムと情報転送の改善 　第4節　需要サイドの問題と政策 　　4.1　総保健医療支出に占める一般家庭の負担割合の増加 　　4.2　健康増進と疾病予防を通じた医療の必要性の低減 　　4.3　患者と医療提供者のコミュニケーションの向上は役に立つ可能性がある 　　4.4　医療連携の向上とゲートキーピングは高価な治療の必要性を軽減する可能性がある 　第5節　結論 第3章　医療における合理的な意思決定：エビデンスに基づく医療と医療技術評価 　第1節　序論 　第2節　効率向上の可能性 　　2.1　マクロ経済的調査は多くの諸国における潜在的な効率向上を示唆する 　　2.2　医療行為の国際間の差異は疫学や新技術の導入によって完全に説明できるわけではない 　　2.3　医療行為の地域的差異は医療提供の有効性と効率向上への可能性を示唆する 　　2.4　エビデンスに基づく医学研究は診療が効果的治療から多く逸脱していることを明示している 　　2.5　患者の選好は必ずしも考慮されるわけではない 　第3節　エビデンスに基づく医療と医療技術評価は医療提供を合理化する機会を提供する 　　3.1　エビデンスに基づく医療 　第4節　医療技術評価 　第5節　OECD加盟国における医療技術評価の現状 　　5.1　医療技術評価機関：地位、権限、活動の範囲 　　5.2　保険適用の決定を伝えるための医療技術評価の使用 　　5.3　臨床ガイドラインを策定するための医療技術評価の使用 　　5.4　経済評価の役割と手法 　　5.5　医療技術評価結果の普及 　　5.6　医療技術評価の導入の監視 　第6節　医療技術評価の影響 　　6.1　意思決定への医療技術評価の影響 　　6.2　医療技術評価に基づくガイドラインは医療行為の変化の一因となるか 　　6.3　医療技術評価は必ずしもコストを削減するとはかぎらない 　第7節　医療技術評価の将来 　　7.1　医療技術評価および経済評価の利用に対する三つの反対論を検討する 　　7.2　医療技術評価をうまく実施し有効に活用するための原則 　第8節　結論 第4章　医療の質の改善に向けた支払方法：ペイ・フォー・パフォーマンス 　第1節　序論 　第2節　医療の質を定義し測定する際の困難 　第3節　ペイ・フォー・パフォーマンス：新しいパラダイム 　第4節　ペイ・フォー・パフォーマンスの適切なデザインを考える：複数代理人の問題 　第5節　ペイ・フォー・パフォーマンスの定義 　第6節　ペイ・フォー・パフォーマンス・プログラムの設計枠組み 　第7節　医療提供者への報酬 　第8節　OECD加盟国におけるペイ・フォー・パフォーマンス 　　8.1　米国：カリフォルニア州ペイ・フォー・パフォーマンス・プログラム 　　8.2　米国：メディケア 　　8.3　英国：医療の質とアウトカムに基づく報酬体系 　　8.4　ニュージーランド：業績に基づくマネジメント 　　8.5　オーストラリア 　　8.6　ブラジル 　　8.7　韓国 　第9節　結論 第5章　効果的な医療連携：慢性疾患の管理と統合型医療 　第1節　序論 　第2節　OECD加盟国における疾病負担の変化 　第3節　医療制度を慢性疾患患者のニーズを満たすよう最適化する 　　3.1　どのような基本的要素が効果的な医療連携モデルの一部として必要なのかについてのコンセンサス 　　3.2　エビデンスが示す、保健医療制度のほとんどが依然として困難に直面している医療連携プログラムの運営 　第4節　OECD医療連携調査 　第5節　医療連携モデル 　　5.1　カイザー・パーマネンテ：支払制度とサービス提供（プライマリケア医の外来診療と専門医の入院診療）を統合する疾病管理モデル 　　5.2　統合型医療 　　5.3　慢性疾患治療 　　5.4　入院管理 　　5.5　ICTの利用 　第6節　疾病管理：費用曲線をシフトするためのいまだ実証されないツール 　　6.1　「コストを回避するためのコストは、よくても回避されたコストにほぼ等しい」 　　6.2　米国メディケアにおける疾病管理の経験：コスト削減とならず、医療の質に限定的な効果しかない 　　6.3　慢性疾患を出来高払いのプライマリケアに組み込む経験：ドイツ、オーストリア 　　6.4　その他の諸国 　　6.5　学んだ教訓：グッドプラクティスは何か 　第7節　疾病管理の費用対効果の改善 　　7.1　予測モデル 　　7.2　医療連携モデル：メンタルヘルスからの教訓 　　7.3　疼痛緩和治療（緩和ケア） 　　7.4　医療連携とHIV/AIDS 　第8節　医療連携から優れた効果をあげる 　　8.1　インセンティブ 　　8.2　ICTの普及と障壁 　　8.3　供給サイドの制約：労働力 　　8.4　介護への移行 　第9節　結論 第6章　医薬品の償還と価格政策：市場競争と技術革新の促進 　第1節　序論 　第2節　OECD加盟国における医薬品支出 　第3節　OECD加盟国における償還と価格政策 　　3.1　すべてのOECD加盟国は少なくとも一部の市場セグメントに関して何らかの形の価格規制を用いている 　　3.2　海外ベンチマーキング 　　3.3　治療ベンチマーキング：内部または治療上の価格参照 　　3.4　薬剤経済学的評価 　　3.5　価格規制および価格水準 　第4節　新医薬品の償還と価格政策における最近の展開 　　4.1　経済評価および費用対効果の低い医薬品 　　4.2　製品固有の価格設定協定 　第5節　ジェネリック市場を開拓する努力 　　5.1　ジェネリック市場における契約、入札、調達、競争 　第6節　結論 第7章　情報通信技術の効果的な活用：医療制度の再設計 　第1節　序論 　第2節　ICTは医療のために何ができ、何ができないか 　第3節　いかにしてICTは医療の費用に見合う価値を向上させることができるか 　　3.1　患者の安全の向上 　　3.2　僻地集団のための遠隔医療 　　3.3　効率性向上 　　3.4　ICTの高額な先行費用は便益発生に時間がかかる 　第4節　電子健康記録の利用は一部の例外を除き低調である 　第5節　ICTが広範に採用されるにはいくつかの課題を克服しなければならない 　　5.1　インセンティブを調整し、便益と費用を平等に分配する必要がある 　　5.2　ICTの目的を医療制度の目的と一致させるためのより広範なガバナンスの課題 　　5.3　ICTの将来的な成功の秘訣は最初に個人情報保護と秘密保持の問題を解決することである 　第6節　ICTは医療制度の業績改善のための幅広い取り組みの基盤である 　第7節　結論 　訳者あとがき Box 　Box3.1　エビデンスに基づく医療、比較効果研究、医療技術評価：実用的定義 　Box3.2　スウェーデンにおける医療技術評価 　Box3.3　リソース配分の決定に関する医療技術評価実施の改善のための基本方針 　Box4.1　ペイ・フォー・パフォーマンス評価の限界を克服する：ルワンダの驚くべき事例 　Box5.1　OECD医療連携アンケート調査 　Box5.2　英国における統合型医療の試み 　Box6.1　最近の医薬品価格政策の展開の事例 　Box6.2　薬剤費保険負担に関する多元的制度のある諸国 　Box6.3　米国の民間保険会社が高価な医薬品に対応するために用いる戦略 　Box6.4　社会的価値および経済評価 　Box6.5　英国における患者アクセス制度 　Box7.1　医療におけるICT 　Box7.2　カナダのブリティッシュコロンビア州における慢性疾患の疾病管理ツール 　Box7.3　ICT普及の段階 　Box7.4　相互運用性とレガシーシステム 表 　表1.1　医療と介護に関する公的支出のOECD予測と各国予測、2005～2050年 　表2.1　予算抑制期間中の支出抑制に関する政策 　表2.2　人口1000人あたりの医師数の推移（1980～2000年） 　表2.3　人口1000人あたりの看護師数の推移（1980～2000年） 　表2.4　医療労働力に対する規制 　表2.5　病院・ハイテク設備・活動に対する規制 　表2.6　医療提供者が請求する費用／価格に対する規制 　表2.7　補償のある病院サービス価格に対する規制 　表2.8　厳格な予算抑制 　表2.9　病院治療の量的管理に関する政策 　表2.10　雇用主負担払いからの控除 　表2.11　ゲートキーピング機能 　表3.1　OECD諸国における医療技術評価の利用状況 　表4.1　ペイ・フォー・パフォーマンス（P4P）の定義 　表4.2　OECD諸国におけるペイ・フォー・パフォーマンス（P4P）プログラムとその測定 　表5.1　医療連携における問題点：慢性疾患治療における各国比較 　表5.2　米国メディケア疾患管理イニシアティブの評価：期待はずれの調査結果 　表6.1　ジェネリック医薬品利用促進政策 　表7.1　ICTイニシアティブのための最新の予算：米国、カナダ、オーストラリア 　表7.2　政府が割り当てる予算の総額：カナダ、英国 　表7.3　データ利用の相互運用性の欠如に対する各国の取り組み 図 　図1.1　国内総生産（GDP）に占める保健医療支出の割合の推移（1970～2008年）、OECD加盟国平均 　図1.2　1人あたりの保健医療支出の年間増加率（1993～2008年） 　図1.3　総保健医療支出とGDPの増加率の推移（1993～2008年）、OECD加盟国平均 　図1.4　総保健医療支出およびGDPの増加率との関係（1993～2008年） 　図1.5　1人あたりの総保健医療支出（1993年）および年間増加率（1993～2008年）との関係 　図1.6　公的保健医療支出の増加に対する民間支出の割合（1993～2008年） 　図1.7　保健機能別分類ごとの保健医療費増加に対する寄与（2003～2008年） 　図1.8　医療と介護に関する公的支出の予測（2005～2050年） 　図1.9　GDPに占める政府総債務と一般政府財政バランス（2011年予測） 　図1.10　一般政府総支出に占める公的保健医療支出の割合、2008年 　図2.1　保健医療支出の抑制シナリオ：改革の潜在的影響 　図2.2　人口1000人あたりの医療従事者数（2008年） 　図2.3　人口1000人あたりの急性期病床数（1995年、2008年） 　図2.4　医師数に対する看護師数の比（1995年、2008年） 　図2.5　保健医療支出における財とサービスの相対価格（2005年） 　図2.6　総保健医療支出に占める入院支出の割合（1980年、1990年、2000年、2008年） 　図2.7　機能分類別の保健医療支出、2008年（または直近年） 　図2.8　人口あたりの医師診察回数と臨床医師数の相関（2008年） 　図2.9　人口あたりの退院数と急性期病床数の相関（2008年） 　図2.10　総保健医療支出に占める窓口負担割合（1990年、2000年、2008年） 　図3.1a　医療行為における国際間の相違：冠動脈形成術 　図3.1b　医療行為における国際間の相違：抗コレステロール薬使用量 　図3.1c　医療行為における国際間の相違：MRI検査実施数 　図3.2　地域による医療提供の相違 　図4.1　ペイ・フォー・パフォーマンス（P4P）：枠組み 　図4.2　ペイ・フォー・パフォーマンス（P4P）：モデルおよび実施 　図4.3　価値インセンティブプログラムの仕組み：韓国の事例 　図4.4　急性心筋梗塞の総合質点数：韓国の事例 　図5.1　慢性疾患のアウトカムの改善 　図5.2　慢性疾患治療における治療・ケースマネジメントを超えたポピュレーションマネジメント：カイザートライアングル 　図5.3　ドイツにおける疾病管理プログラム 　図5.4　II型糖尿病の疾病管理プログラムによる病院コストの削減：ドイツ 　図5.5　II型糖尿病の疾病管理プログラムへの地域別参加状況：オーストリア2010年5月 　図5.6　プライマリケアにおけるうつ病：医療連携モデルの費用対効果 　図6.1　総保健医療支出およびGDPに占める医薬品支出の割合（2008年） 　図6.2　1人あたりの医薬品支出（2008年） 　図6.3　財源別の医薬品支出（2007年） 　図6.4　医薬品支出の増加率（2003～2008年） 　図6.5　製品固有の補償の類型論と価格設定協定 　図6.6　ジェネリック市場の割合（2008年） 　図7.1　遠隔医療の効果：カナダ 　図7.2　電子健康記録の利用（2007年）：フィンランド、ノルウェー、米国