萬葉風土歌枕考説(研究叢書 537)
廣岡 義隆 著
内容
目次
はじめに 凡例 序章 萬葉歌の表示について 一はじめに―本書における萬葉歌を和らげ示す表記に関して―/二 大伴坂上郎女の「跡見田庄作歌」から/三 先行研究から/四 「貧窮問答歌」から/五 「竹取翁歌」から/六 家持の長歌作品から/七 関戸本『古今和歌集』から/八 元永本『古今和歌集』から/九 宣命から/一〇 おわりに―「捨て仮名」について― 第一章 歌枕考説 第一節 詠み合わせの成立 一 はじめに―歌枕について―/二 詠み合わせ/三 恋せじの祓と忘草と忘貝/四 『萬葉集』における詠み合わせの概観/五 おわりに―萬葉の第二期―六八 第二節 萬葉「歌枕」の成立 一 はじめに―「歌枕」の概念規定―/二 千鳥鳴く佐保/三 伝承・伝聞表現から/四 既定表現から/五 「春山」「秋山」の観念/六 序中地名における歌枕的側面/七 おわりに―『萬葉集』における歌枕化― 第三節 龍田・磐瀬乃社考 一 龍田彦/二 龍田道/三 磐瀬乃社/四 龍田川/五 おわりに―龍田の歌枕化― 第四節 文藝地図 一 はじめに―人麻呂の留京伊勢歌から―/二 春日蔵老の阿倍乃市道の歌から/三 『古事記』のヤマトタケルの道行から/四 文藝地図/五 おわりに 第五節 伊勢の長浜寸考 一 はじめに―『古今和歌集』にみる長浜―/二 伊勢国の「長浜」の地/三 黒川昌享氏の考究/四 『大安寺資財帳』に見る「長浜」/五 おわりに―「長浜」は「豊津浦」― 第六節 三重の歌枕一覧 「あがのまつばら(吾の松原)」から「をみのうら(をみの浦)」まで(五十音順配列) 第二章 三重の萬葉 第一節 三重萬葉の特質 一 はじめに―三重萬葉の範囲―/二 天武・持統天皇代の萬葉歌/三 聖武行幸における萬葉歌/四 伊賀・伊勢・志摩の萬葉歌/五 疑問故地/六 おわりに―三重萬葉の特質― 第二節 枕詞「神風の」考 一 はじめに―枕詞とは―/二 枕詞「神風の」の上代例/三 枕詞「神風の」に関する諸説/四 壬申の乱と神風/五 おわりに 第三節 「久佐可氣乃安努」考 一 はじめに―問題の所在―/二 『皇太神宮儀式帳』『倭姫命世記』の資料性―枕詞「草蔭の」に関して―/三 「安努」歌の「東歌」としての性質/四 「東」の範囲/五 地域言語における区画論から/六 おわりに―文学地理研究における要諦― 第四節 東海の萬葉歌から はじめに/一 隠(名張)/二 山邊乃御井/三 狭殘(狭殘行宮) 第五節 三重萬葉地名一覧 「吾松原(あかまつばら)」から「度會の大川(わたらひのおほかは)」まで(五十音順配列) 第三章 三重の地域文化 第一節 三重地域における古代文化 一 東国としての三重地域―古代の観点から―/二 古代資料に見られる地名分布と街道/三 おわりに 第二節 熊野の範囲と地域の様相 一 はじめに―旅の道―/二 上代の熊野/三 熊野の様相/四 海の道と浜辺の道/五 おわりに 第三節 古典五景 一 はじめに/二 かなしい英雄――『古事記』/三 中央と連携した熊野、花の窟――『日本書紀』/四 志摩真珠のルーツ――『萬葉集』/五 奈良と縁の深い伊賀の地――『日本霊異記』/六 七夕伝説の星合浜――「歌枕」 第四節 大城遺跡出土の線刻土器 一 はじめに/二 明らかにされている事/三 調査結果から/四 おわりに 第四章 近江萬葉 第一節 国府宴席歌考―近江を例に― 一 はじめに―湖盆の地、淡海―/二 畿内に準ずる地、近江/三 淡海萬葉の三つの場/四 近江国府での宴席の場/五 巻第七の問答歌二首/六 淡海萬葉の歌枕から/七 おわりに 第二節 高市黒人と近江・摂津 一 はじめに―黒人詠の沈思性と軽口性―/二 淡海詠について/三 摂津詠について/四 おわりに―黒人の歌作工房― 第五章 余滴六篇 第一節 上代日本の食と農 一 はじめに/二 上代における食材の実態/三 食材の調理/四 農における業/五 おわりに―循環型社会の原型― 第二節 宇治橋断碑 本文/原碑と全体写真/校異・字体/所在/材質・形状/訓読/現代語訳/注解/考説 第三節 正法寺梵鐘銘・雲版識語 一 はじめに/二 正法寺梵鐘銘(本文/所在/形状/訓読/現代語訳/注解/解題)/三 正法寺雲版識語(本文/所在/訓読/現代語訳/注解/解題) 第四節 ひばりのさえずりの中で 第五節 倭花六弁 一 春過て夏来らし/二 吾せこは何所行らむ/三 寒暮夕は倭し所念/四 浅心を吾念なくに/五 豊のとししるすとならし/六 かりが来鳴むときちかみかも 第六節 鏡出土という口碑 一 はじめに/二 「妻社」伝承地の消滅/三 画象鏡の出土由来/四 隅田八幡神社蔵「人物画象鏡」 /五 現地地域史の記載から/六 おわりに―一つの口碑として― 収録論文の原拠について おわりに 書後に 索引(要語/倭歌)
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