シチュエーションで学ぶ輸液レッスン
小松 康宏, 西崎 祐史, 津川 友介 著
内容
目次
プレテスト あなたの輸液の実力は? 第1章 輸液の基本 総体液料は体重の60%,血液量は体重の約7.5% 輸液の目的はNaと水の補充 輸液製剤の代表選手は生理食塩水と自由水(5%ブドウ糖液) 1Lの生理食塩水を投与すると250mLが血管内に残る! 1Lの自由水を投与してもわずか83mLしか血管内に残らない! 応用編:低張液(ソリタT3R)1Lを投与したときの体内分布を考えよう! 1日に必要な水分は体重(kg)×30mL 1価のイオン1mmolは1mEq(メック),2価のイオン1mmolは2mEqになることを覚えておこう 高ナトリウム血症があれば脱水,なければ細胞外液量欠乏とよぶ 「脱水」(細胞外液量欠乏)状態かをみたければ患者さんの脇,舌,爪など身体をくまなく診察する!! ショックの初期輸液には等張液を投与する 輸液の投与量と投与速度を決めるには? —1日当たりの投与量をイメージしよう 輸液量を増やしても尿量がまったく増えてこない患者さんの場合,輸液負荷がかえって状態を悪くすることがある 第2章 電解質,酸塩基平衡 Na・水バランス 腎臓でのNaと水調節メカニズムを理解する 浮腫の原因は,1 静水圧上昇,2 膠質浸透圧低下,3 血管透過性亢進,4 リンパ灌流不全 全身性浮腫の治療では,まず食塩を制限する 利尿薬は尿細管でのNa再吸収を阻害し,Naと水の排泄を促進する ループ利尿薬はヘンレループ太い上行脚で作用する最強の利尿薬 サイアザイド系は遠位尿細管で作用するマイルドな降圧利尿薬 アルドステロン遮断薬(K保持性利尿薬)はループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬との併用で効果が増強する 急性重症低ナトリウム血症は致死的な病態!慢性低ナトリウム血症はQOL低下を生じる! 低ナトリウム血症の怖さ —放置しても治療しても責められる 低ナトリウム血症をみたら,まずは本物か偽物かを見極める! 低浸透圧性低ナトリウム血症であれば,まずは水中毒を除外! 考えよう! 水中毒を除外したら,細胞外液量に注目する! 術後患者にみられる低ナトリウム血症は医原性ともいえる —漫然と維持輸液を処方し続けてはならない— 下痢にみられる低ナトリウム血症 —原因はNa喪失といってよいのだろうか 急性低ナトリウム血症の治療 —高張食塩水(3%食塩水)の急速投与 Adrogue-Madiasの式を使って血漿Na濃度の変化を予測する SIADHの診断,治療をマスターしよう フロセミドを使ったSIADHの治療法をマスターしよう 考えよう! 考えよう! 高ナトリウム血症の原因は口渇中枢の異常,尿濃縮力障害,水分摂取量低下である 高ナトリウム血症の診断 高ナトリウム血症の治療法をマスターしよう 考えよう! Kバランス 血清K濃度は 1 食事や輸液からのK摂取(intake),2 細胞内外のK移動,3 腎臓からのK排泄(output)のバランスによって調整されている 利尿薬を服用中の患者さんでは低カリウム血症に注意 低カリウム血症の鑑別診断の進め方 考えよう! 腎臓のK排泄量は,Naの摂取量に影響される 点滴でK補充するときには20mEq/時以内の投与速度にする 高カリウム血症は,1 K摂取過剰,2 K排泄障害,3 細胞外へのK移動のどれかで起こっている 高カリウム血症をみたら,1 K再検査,2 心電図モニター,3 治療の緊急性を判断 高カリウム血症の緊急治療 酸塩基平衡 酸塩基平衡を理解する Henderson-Hasselbalchの式を理解しよう 動脈血ガスはステップワイズ法で読む! 練習あるのみ! 高アニオンギャップ性代謝性アシドーシスの原因は,KUSSMAL-Pで覚える! 動脈血ガスの代償性変化は,マジックナンバー(1.2,0.8,0.4)だけ覚えればすべて読めるようになる! 補正HCO3-を計算して隠れた代謝性アルカローシスを見つける 考えよう! 正AG性代謝性アシドーシスをみたら尿AGを計算する。代謝性アシドーシスのほとんどに循環血漿量の低下がある! 代謝性アシドーシスの原因を理解しよう 代謝性アシドーシスの治療法—安易にメイロンRを使用してはいけない その他(Ca,P,Mg)のバランス Caは生体にかかすことのできない重要なミネラルである 高カルシウム血症を理解しよう 低カルシウム血症を理解しよう 低リン血症は,心不全,呼吸不全の原因になる! 意外に見落とすMg欠乏 —Mgはルーチンに測定するべき必須元素! 微量元素ではない! 第3章 特殊な病態のマネジメント 心不全の輸液 体液過剰のある心不全患者に輸液をしてもよいのでしょうか? 腎不全の輸液 腎不全患者では尿量に応じて輸液処方を調整する 腎不全患者では過剰投与にならないよう注意する TPN 消化管が使えない患者さんと血行動態が不安定な患者さん以外はできるだけ経腸栄養を行う TPNは1日当たりNa75mEq,K40mEq,カロリー+水分=30kcal(mL)/kgが基本! コラム 体水分量は年齢,性別によっても異なります 血漿の分布—動脈血はわずか600mL! 体液恒常性(ホメオスタシス)とは? 人が1日に必要とする最低Na量は600mg 乳酸リンゲルと酢酸リンゲルの違い なぜ生理食塩水のNa濃度は154mEq/Lなのか? 張度と浸透圧の違いは? 毛細血管再充満時間(capillary refill time) 輸液量を増やしたら腎不全を予防できるか? スピロノラクトンの用量 マラソンランナーの水中毒 MRHEとは? Naの1日の最低摂取量は? 3%の食塩水を投与して怖くない? 超緊急性の高い低ナトリウム血症の治療法:ガイドラインなどでの推奨は? SIADH患者の過剰水分量を求める式 過剰水分量=(140−血漿Na濃度)/140×体重×0.6を導く方法は? 時間あたり0.5mEq/Lの速度で低ナトリウム血症を治療するには,時間あたり体重×2mLの自由水を排泄させればよい 利尿薬(diuretics)と水利尿薬(aquaretic) グリセオールで高ナトリウム血症になるのはNa負荷のせい? 高ナトリウム血症にならない塩分の摂取許容量は? 浸透圧利尿があるかどうかの基準が750mOsmなのはなぜでしょう? なぜ補正に5%ブドウ糖液を用いるのか? 尿崩症などで引き続く大量の自由水喪失がある場合にどうするか —自由水クリアランスの計算方法 ROMK,Maxi-Kって何? 輸血と血清K濃度の異常 基準値 低アルブミン血症とアニオンギャップ ΔAG/ΔHCO3-(デルタ・デルタ) 尿アニオンギャップ 代謝性アルカローシスを維持する原因 —ほとんどが有効循環血漿量の低下! ベースエクセス(base excess:BE)とは? TmP/GFR(尿細管リン最大吸収閾値)って何? Mg投与時の注意点 透析患者のTPN—Ca,P,Mgは微量元素ではなく必須元素 新しい経腸栄養剤
カート
カートに商品は入っていません。