緩和医療の基本的知識と作法
内容
目次
学ぶ作法・教える作法 門田和気 Ⅰ章 緩和医療の基本事項 1.緩和医療の概念 林 章敏 緩和医療の定義/緩和医療の歴史と背景/さまざまな言葉の概念-その共通理念と相違-/がん治療と緩和医療の関係(パラレルケア)/緩和医療の専門性/緩和医療のこれから 2.緩和医療の現状 林 章敏 各種統計からみた緩和ケア/緩和医療の形態と内容/海外との比較/今後の課題 3.緩和医療の専門性 a.医師の立場から 茅根義和 緩和医療の専門性とは/患者の生活を支える医療としての緩和医療/患者の最期のときまでつきあう医療である緩和医療 b.患者・家族の立場から 本田麻由美 緩和医療のイメージ/「がん対策基本法」成立とその背景/患者たちが求めた緩和医療・ケアとは c.行政の立場から 加藤雅志 「がん対策基本法」と緩和ケア/「がん対策推進基本計画」と緩和ケア/行政による緩和ケアに関する取り組み/医療従事者に対する基本的な緩和ケアの知識の普及/緩和ケアに関する専門的な医療従事者の育成/緩和ケアの提供体制の整備/一般の方々に対する緩和ケアの普及啓発/緩和ケア領域における研究の推進 Ⅱ章 緩和医療の実践 1.トータルペイン(全人的苦痛)へのアプローチ 相河明規/大坂 巌 トータルペイン(全人的苦痛)とは/トータルペインの捉え方/トータルペインをどう評価して対応していくか/医師が注意すべき各苦痛の評価・対応のポイント/トータルペインの緩和の向こうに 2.痛みのアセスメント 門田和気 痛みの強さをアセスメントする/視覚的評価尺度(VAS)/数値的評価尺度(NRS)/口頭式評価尺度(VRS)/痛みのフェイススケール(FRS)/痛みの性質をアセスメントする/オピオイド療法におけるアセスメント/アセスメントの四方山話 3.痛みの治療原則−WHO5原則を中心に− 門田和気 経口的に(by mouth)/時刻を決めて規則正しく投与(by the clock)/除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)/個別の量で(for the individual)/細かい配慮を(attention to detail) 4.医療用麻薬の適正使用−処方の際の注意事項− 加賀谷肇 麻薬を使用することができる人とは/麻薬中毒患者と診断したときはどうするか/麻薬の保管・管理/麻薬を携帯輸出入するとき/麻薬に関する記録のとり方/入院時における患者自身による麻薬の管理/廃棄の仕方/事故/盗難時の対応/正しい患者説明・服薬指導/患者・家族への麻薬管理上の指導/家族、友人などへの譲渡しは法律違反/自宅で紛失した場合/あいまいな表現の注意事項は撤廃してほしい Ⅲ章 チーム医療とは 1.チームを起こす 橋口さおり チームが目指す方向/病院執行部との交渉/業務計画を立てる/広報 2.チームを動かす 大坂 巌 interdisciplinary team/緩和ケアチーム診療の指標/よいチームの特徴/よいチームにおける医師の理想像/当院緩和ケアチーム活動の実際/チーム診療のコツ 3.在宅療養に向けてチームの役割 山田雅子 在宅療養者を支えるための地域における社会資源/在宅支援・地域連携に向けて病院が取り組むこと/地域の資源を使うということと、創るということ Ⅳ章 コンサルテーションスキル 1.コンサルテーションの基本 名郷直樹 自分自身の経験から/主治医が明確であること/コンサルタントの専門性/コンサルテーションと日常診療の相同性/情報収集とギャップの認識/パターナリズムによるアプローチ/行動科学によるアプローチ/患者中心の医療の方法/建設的フィードバック 2.他科へのコンサルテーション a.麻酔科(ペインクリニック)医からの提言 関山裕詩 ケースから学ぶコンサルテーションスキル/推奨されるコンサルテーションモデル/コンサルテーションの際に必要な基礎知識-がん性疼痛における神経ブロックの適応/コンサルテーション後 b.放射線科医からの提言 荒井保明 不適切なコンサルテーション/優れたコンサルテーション/気持ちよいコンサルテーションにこう応える c.精神科医からの提言 大上俊彦 緩和ケア医からのコンサルテーションに対して精神科医が思うこと/コンサルテーションには建前と本音がある/困るコンサルテーションの例/結局はコンサルタントとコンサルティーの関係性が大きく影響する d.腫瘍内科医からの提言 高野利実/陶山浩一/三浦裕司 がん医療の流れ/緩和ケア医と腫瘍内科医の役割分担/腫瘍内科医にとっての緩和ケア医の存在/緩和ケア医にとっての腫瘍内科医の存在/抗がん剤か緩和ケアか/そこにある緩和ケア e.リハビリテーション科医からの提言 辻 哲也 リハビリ医療と緩和医療の類似性/緩和医療におけるリハビリの目的と役割/リハビリの具体的な内容/リハビリの介入の流れ/緩和医療担当医がリハビリ科へコンサルテーションする際のポイント Ⅴ章 緩和医療におけるコミュニケーション 1.コミュニケーションの基本 栗原幸江 コミュニケーションとは/知っておきたい基本的なスキル/「オープンクエッション」「クローズドクエッション」の使い道/「事・情」を聴く/共感を示す/そのほか注意したいこと/状況に応じた心得/家族への対応/多職種スタッフとの協働/スキルアップのためのセルフトレーニング 2.スタッフ間のコミュニケーション 安部睦美 皆さん、スタッフの現場の声をしっかり聴いていますか?/情報伝達・情報共有の重要性/情報共有の具体的な方法/情報伝達の具体的な方法 3.他科医療スタッフとのコミュニケーション 赤司雅子/有賀悦子 スキルミクス型のチーム医療におけるコミュニケーションの重要性/事例検討 4.患者とのコミュニケーション 三田礼子/有賀悦子 がんの告知からがん治療へつなぐ/再発の告知/緩和チームとしての関わり/痛みの診察とオピオイドの導入/スピリチュアルペインに寄り添う/Do Not Resuscitate(DNR)の選択/鎮静/薬剤に抵抗を示す患者との関わり/怒りを表出する患者との関わり/予後が短いと思われる患者との関わり 5.家族とのコミュニケーション 大沢かおり/小澤美和/Martha Aschenbrenner 患者の代諾者としての家族を見極める/家族の感情を知る/家族へ病名を伝えることと、その後のプロセス/グリーフケア 6.外国語でコミュニケーション−日常診療でよく使うフレーズ集(英語編) 関根龍一
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