生活景~身近な景観価値の発見とまちづくり~
日本建築学会, 後藤 春彦 著
内容
目次
はじめに 〈後藤春彦〉 序 日本の風景の貧困に挑む 〈後藤春彦・小林敬一〉 第Ⅰ部 生活景とは何か 〈後藤春彦〉 1 景観と生活景 2 積層する生活景 3 「生活景」への期待 第Ⅱ部 変わりゆくまちと問われる生活景 第1章 中心市街地の衰退と景観紛争 ──地方都市の変わりゆく状況 〈浅野聡〉 1 揺れ動く地方都市のまちづくり現場 2 伊賀市における上野天神祭巡行路の高層マンション建設と訴訟 3 松阪市における四五百森の高層マンション建設と反対運動 4 浮かび上がった生活景をめぐる課題 5 景観紛争を契機として再評価された生活景の景観価値 第2章 モザイク状に変化する大都市の生活景 ──大都市の変わりゆく状況 〈嘉名光市〉 1 変貌する大都市の風景 2 戦前の土地区画整理と長屋による住宅地、阪南 3 下町の地域コミュニティが息づくまち、野田 4 大都市の変わりゆく生活景を俯瞰して 第3章 郊外住宅地の形成と変容する生活景 ──大都市近郊住宅地の変わりゆく状況 〈北原理雄〉 1 日常生活景へのまなざし 2 検見川の原風景 3 郊外住宅地の誕生と成長 4 変わりゆく生活景 5 郊外住宅地の生活景 第4章 ふるさと景観のゆくえ ──集落の変わりゆく状況 〈山中知彦〉 1 都市の先駆けとしての集落 2 生活景を受け継ぐ地域の集落や人々との出会い 3 集落の生活景が誘起する地域多様性の再生 第Ⅲ部 生活景の可能性 第1章 生活景と都市計画・設計 〈小林敬一〉 1 生活景という問いかけ 2 自由な多主体のつくる景観と漸進的アプローチ 3 感覚性能の向上と都市の生命力 4 主体と環境との関わりとふるさとの回復 5 アメニティ豊かな生命都市に向かうための転換 第2章 生活景と環境哲学 〈桑子敏雄〉 1 空間の豊かさとは何か 2 行為としての空間再編 3 風景の喪失と発見 4 空間の概念化とそれを超えるもの 第3章 生活景と経済学 〈丸尾直美〉 1 生活景観と環境アメニティ 2 環境アメニティと生活景の経済学的特性 3 海外で経験した生活景と環境 4 郷里で経験した生活景を育むまちづくり 5 環境アメニティ資産と生活景の管理運営 第4章 生活景と環境認知 〈野中勝利〉 1 生活景と暗黙知 2 生活景と記憶・想像 3 自己表出と交流 第Ⅳ部 生活景の育成手法 第1章 生活景の育み方 〈宇於﨑勝也〉 1 生活景を育む 2 生活景を育み活かす 3 生活景を見いだす 第2章 生活景の発見と読解手法 〈志村秀明〉 1 生活景の読み解き 2 生活景探しワークショップ 3 生活景を表現するツール 4 生活景ワークショップの全体プログラム 第3章 生活景の地図化と協議の手法 〈宮脇勝〉 1 一般的な住宅地の平凡な景観 2 景観資源のマップ化による生活景の顕在化 3 景観基準点となりうる生活景の具体例 4 景観資源マップの作成 5 景観資源マップの景観行政での活用 6 大規模開発や構想づくりにも活用 7 運用上の課題 第4章 生活景の顕彰手法 〈岡田雅代〉 1 景観施策による地域資源の発掘と生活景 2 普及啓発期における生活景の発掘と共有共感を呼び覚ます工夫 3 地域資源を活かした生活景の育み方 第5章 生活景の言語化手法 〈卜部直也・平井宏典〉 1 生活景を美と捉えた町 2 生活景をかたちづくる方法 3 美の条例と生活景の育み 第Ⅴ部 生活景を育むまちづくり事例 第1章 伊勢河崎──水運景観の喪失から賑わいの復活へ 〈浅野聡〉 1 水運を活かした問屋街としての生活文化が積層する河崎 2 伊勢河崎まちづくり衆と伊勢河崎商人館の誕生 3 商人町をコンセプトにしたまちづくりの実践 4 勢田川をコンセプトにしたまちづくりの実践 5 生活景の再評価と次世代に継承するためのルールづくり 6 次期式年遷宮に向けたまちづくりの展望 第2章 金沢大野──醤油蔵を活用したアートプロジェクト 〈水野雅男〉 1 生活景をつくりだす市民活動 2 醤油の産地、金沢大野 3 身の丈に合った活動目標を探す 4 六つの拠点と回遊する仕掛け 5 空間活用の社会実験 6 協働スタイル 7 組織体制の変遷 8 活動の成果 第3章 象潟──景観保全と農業振興に揺れる島々 〈三宅諭〉 1 多島海の面影を残す象潟 2 天然記念物の島々と農地を守る 3 地域の記憶を伝える生活景─景観保全から開発、そして新しい景観へ 4 住民による島の管理 5 新たな問題に取り組む行政 6 象潟に見る生活景への期待 第4章 世田谷──地域風景資産と景観まちづくり 〈岡田雅代〉 1 普及啓発型からボトムアップ活動型の景観まちづくりへの展開 2 景観まちづくりの活動支援とプラットフォーム 3 地域風景資産を手がかりとした景観まちづくりと生活景 4 地域風景資産の選定と世田谷の生活景創造への構図 第5章 月島──街割に基づき連携が育む生活景 〈志村秀明〉 1 月島の成り立ちと街割 2 月島の生活景 3 まちの変容と路地を存続させる制度 4 生活景を育む住民と市民活動、大学の支援 5 主体と連携に着目した生活景を守り育む方法 むすび 社会関係資本としての生活景 〈後藤春彦〉 1 「生活景」による市民自治の表現 2 社会関係資本としての「生活景」 あとがき 〈後藤春彦〉
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