内容
患者のQOLに重大な影響を及ぼす右半球損傷による障害、特に認知とコミュニケーションの障害について広く研究を概観し、その診断と治療、リハビリテーションに関して十分な情報を提供する、臨床的視点を重視した待望の書です。
病識が浅い、楽観的、集中力に乏しい、意欲が空回りする、指示に従わないといった右半球損傷者の特性が、なぜ生じるのか、そして、どのように対処したらよいのかについて、それぞれ認知機能障害とコミュニケーションの視点から丁寧に解説されています。
密接に関連し合っていることの多い右半球損傷の徴候や症状に関しても、臨床経験や実験、そして様々な研究を交えながらその関連性について詳説されており、臨床家にとっては治療へのさらなる応用のヒントが、研究者にとっては患者の行動に影響を与えている一連の症状をより深く知るための手がかりが豊富に示されています。