内容
江戸時代の「かわいい絵」の魅力と歴史に迫る1冊!
各地の展覧会で話題のモフモフ子犬絵を新収録した、待望の第二版!
「かわいいものがどう表現されてきたか」に興味をもって日本の美術を見渡せば、
目を見張るような画家の技術やアイディアが浮かび上がります。
…かわいい美術もまた、豪華な美術に負けない大きな創作領域であり、
そこには、ひとつの立派な美術史があります。
(巻頭・「かわいい絵」にも美術史がある より)
ゆるくてかわいい子犬、意表を突くユーモラスな虎、なぜかかわいいおじさん……。
かわいい美術が花開いた江戸時代、画家たちはいかにして「かわいい」を極めたのか。
独自の表現手法を掘り下げます。
第二版に新収録された、円山応挙と長沢蘆雪のかわいい子犬絵は必見です。
【目次】
単純化とデフォルメでかわいく描く――俵屋宗達と伊藤若冲
拙い描写が「かわいい」を生む――与謝蕪村
かわいい題材をリアルに再現する――円山応挙と歌川国芳
ゆるさで心を和ませる――長沢蘆雪
“イカれた"形に表す――仙厓義梵
〔この他に紹介する画家〕松花堂昭乗/中村芳中/耳鳥斎/鍬形蕙斎/遠藤曰人/
三浦樗良/加藤逸人/森狙先/原在照
【監修】
金子信久
1962年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館学芸員などを経て府中市美術館学芸員。専門は江戸時代絵画史。近年は、動物絵画やかわいいものの表現手法と背景の思想に関心をもち、「かわいい江戸絵画」(2013年)、「動物絵画の250年」(2015年)、「へそまがり日本美術禅画からヘタウマまで」(2019年)など、話題の展覧会を数多く手掛ける。著書に『ねこと国芳』(パイ インターナショナル)、『かわいい江戸絵画』(府中市美術館編・共著、求龍堂)、『たのしい日本美術江戸かわいい動物』(講談社)、『へそまがり日本美術禅画からヘタウマまで』(府中市美術館編・共著、講談社)など多数。