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「働く喜び」の喪失~ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を読み直す~(いま読む!名著)
荒川敏彦
著
発行年月 |
2020年07月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
238p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/経済学/経済学説・経済思想 |
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ISBN |
9784768410202 |
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商品コード |
1031852837 |
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NDC分類 |
331.5 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2020年08月4週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031852837 |
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著者紹介
荒川敏彦(著者):1972年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、千葉商科大学商経学部教授。専門は、宗教社会学、社会思想史。おもな著書に、『日本マックス・ウェーバー論争――「プロ倫」読解の現在』(2008年、ナカニシヤ出版、共著)、『呪術意識と現代社会――東京都二十三区民調査の社会学的分析』(2010年、青弓社、共著)、『危機に対峙する思考』(2016年、梓出版社、共著)など。
内容
マックス・ヴェーバーは、20世紀初頭に刊行された『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、近代資本主義が西欧で勃興しはじめようとする16、17世紀の市民の生き方に目を向け、資本主義社会の問題を「生活態度」という視点から捉え直した。本書籍は、混迷を極める世界情勢の中、「不安に駆り立てられながら働きつづける」近代人の精神を、【天職・予定・確証】という3つの連動して作用する鍵概念と重ね合わせることを試みる。ベルーフの訳語として用いられる「天職」という日本語は、元々の儒教的含意から明治期日本での変容を経て、「生きがい」という意味にまで解釈が拡大した。「予定説」と「確証思想」の作用は、現代社会における孤独化、排他性、自己コントロールや監視社会といった問題にまで広げることができる。このような思考を、現代社会に対する「鏡」として使うことで、私たちが埋め込まれている労働中心主義の陥穽が見えてくる。