著者紹介

内容

目次

はじめに 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　第1部　ヴァン＝マーネンの教育学 第1章　ヴァン＝マーネンと教育学 　　　　　――ランゲフェルトとの出会いとシスケとの邂逅―― 　1　ヴァン＝マーネンの子ども時代 　2　ヴァン＝マーネンの来歴 　3　現象学的教育学とヴァン＝マーネン 　4　ランゲフェルトとの出会い 第2章　ヴァン＝マーネンにおけるペダゴジー 　1　ヴァン＝マーネンとペダゴジー 　2　ペダゴジーとは 　3　ペダゴジー概念の再編成 　4　ペダゴジーの探究のために 　　第2部　教育の関係性 第3章　気がかりとしてのcare 　1　教育におけるケア概念の先行研究 　2　care＝世話とcare＝気がかり 　3　気がかりとしてのcare 　　　　――親であること―― 　4　慢性の病としてのcare＝気がかり 　5　教育学のディシプリンとしてのcare＝気がかり 第4章　応答としてのcareの可能性と不可能性 　　　　　――教育責任への試論―― 　1　教育責任 　2　careへの呼びかけ 　3　「顔」と責任 　4　「顔」のない他者と責任性 　5　残された課題 第5章　コンタクトとしての教育的関係 　　　　――教育関係論再考―― 　1　教育関係論の先行研究とヴァン＝マーネンの位置 　2　ノールおよびボルノウの教育的関係論からの影響 　3　リンギスとコンタクト 　4　教師と生徒のコンタクト 　5　教育における両極性の問題 　6　教育関係論をめぐる論点 　　第3部　教育の時間性 第6章　教育的な契機 　1　ランゲフェルトの「教育状況」概念 　2　教育的状況から教育的契機へ 　3　教育的契機の事例 　4　教育的契機の五つの特質 　5　教育的契機を体感的に理解する 　6　教育的契機概念の意義と課題 第7章　省察（リフレクション）の時間性 　1　ショーンの行為のなかの省察 　2　省察の時間性の分類 　3　行為のなかでの省察の時間軸 　4　行為のなかの省察概念が教育学にもたらす問題性 　5　教師の教育実践の特殊性と省察 　6　教育実践におけるMindfulnessとしての省察のあり方 　7　フィーリングの省察を扱う意義 　　第4部　教育的タクトとその涵養の可能性 第8章　教育的タクトの先行研究とタクト概念の整理 　1　教育的タクトに関する先行研究 　2　タクト概念の検討 第9章　ヴァン＝マーネンの教育的タクト 　1　教育的タクトと一般的タクト 　2　ヘルバルトの教育的タクトの受容と批判 　3　教育的タクトの構成要素 　4　タクト豊かなふるまいを構成要素で読み解く 　5　思慮深さとタクトの関係 　6　ヴァン＝マーネンの教育的タクト論への諸批判 第10章　教育的な感受性と身体知としてのタクト 　1　身体化された実践的な知としての教育的タクト 　2　触れることとタクト 　3　身体の記憶 　4　敏感さ（感受性）とタクト 　5　共感と間身体性 　6　感情の伝染 　　　――敏感さとの関連で―― 　7　感覚の感受 第11章　思慮深さの涵養と省察（リフレクション） 　1　思慮深さの涵養 　2　タクト豊かな行為のための省察の事例 　　　――ダニエルの事例―― 　3　省察の水準 第12章　生きられた経験の記述による思慮深さの涵養 　1　生きられた経験とは 　2　生きられた経験を探求する 　3　書くことによって思慮深さを測る 　4　記述と解釈の問題 　　第5部　リフレクションによる教育的な敏感さと思慮深さの涵養 第13章　リフレクション概念の再検討 　1　リフレクションに関する先行研究 　2　エピソード記述の技法を用いたリフレクション 　3　プロセスレコードによるリフレクション 　4　ALACTモデルを用いたリフレクション 第14章　教育的敏感さを育むためのフィーリングのリフレクション 　1　フィーリングへの注目 　2　フィーリングへのリフレクションの意義 　3　リフレクションによる学び直し 　4　書くことと読むことの身体とリフレクション 第15章　教育実践へのリフレクションの方法試案 　1　教員養成課程における試み 　2　16の問いを用いたリフレクション 　3　コルトハーヘンのリフレクションと生きられた経験の記述との融合 　　　――教育的な敏感さと思慮深さに着目するために―― 　4　生きられた経験の記述を読む 第16章　生きられた経験の記述を通したリフレクションの事例 　1　教育実習のリフレクションとしての記述 　2　実習生は友達なのか 　3　国語の授業中の事例 　4　おもちゃの取り合いから考える 　5　教員養成におけるリフレクションの意義と残された課題 　　第6部　それでも教育者としてあること 第17章　教育のパトス的な質 　　　　　――ヴァン＝マーネンの教育学をパトス的な観点から読み直す―― 　1　ならずものシスケと教師のパトス 　2　ヴァン＝マーネンのペダゴジーとパトス的原理 　3　中村雄二郎におけるパトスの知 　4　教育における受苦的受動的性質 　5　ヴァルネラブルであるということ 第18章　問うこととしての教育学 　1　教育は善きものか 　2　教育の善さへの問い 　3　問うことの意味 　4　問い続けることの困難さ，回り道 　5　問い続けることの痛みと勇気 おわりに 　註 　文献一覧 　あとがき 　 　初出一覧