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天然系調味料の知識
石田賢吾
著
発行年月 |
2020年10月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
13p,163p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/理工学/機械工学/製造工学 |
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ISBN |
9784782104521 |
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商品コード |
1032364720 |
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NDC分類 |
588.6 |
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本の性格 |
実務向け |
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新刊案内掲載月 |
2020年11月5週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1032364720 |
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著者紹介
石田賢吾(著者):1939 年 岡山県真庭郡蒜山生まれ
1962 年 鳥取大学農学部農芸化学科卒業
協和発酵工業(株)入社 東京研究所勤務
1978 年 食品酒類研究所(主査・所長)
農学博士(東京農業大学)「酵素利用によるアミノ酸系調味料の製造に関する研究」
2 つの研究所で調味料,酵素,機能性素材等の研究開発に従事
1990 年 本社(食品開発部長)
1995 年 味日本(株)出向(常務次いで専務取締役)
2002 年 協和発酵工業(株)定年退職
( 現在は,協和キリン(株),三菱商事ライフサイエンス(株)等に事業が引き継がれている)
石田技術士事務所開設(技術士)
( 公社)日本技術士会・登録食品技術士センター
(会員,会長(2008~2012))
2003 年 日本エキス調味料協会 専務理事,2017 年(同協会 顧問)
内容
近年の社会・経済的な変化に伴い,人々の生活様式のニーズとして簡便化が大きなキーワードになっている.このような中で,加工食品や外食産業,コンビニに代表される中食の発達には著しいものがある.したがって,日本標準商品分類の調味料関連製品やその他の調味料およびスープに分類される調味料は,著しく発達し,変化し拡大している.
天然系調味料とは,農・水・畜産物および酵母を原料として抽出・濃縮してつくるエキス調味料と,大豆・小麦・その他の副生成物のたん白質を分解してつくる,たん白加水分解物調味料との,2つの系統の調味料に対して用いる業界用語である.一言でいえば,天然の食品素材を原料とした調味料ということになる.食品の表示においては天然・自然などの用語は,公正競争規約などに別途定められているので,それに準じて使用しなければならない.
このように,エキス調味料はいわゆる日本の“だし”,西欧の“ブイヨン”,“フォン”,“スープストック”,中華の“湯(たん)”に相当するもの,あるいはそれらの加工度を向上して,加工食品や外食産業などに使いやすくしたものといえる.一方のたん白加水分解物は,しょうゆやみそ,魚醤油のように,一般に安価な原料を使用して,たん白質を分解してアミノ酸を作り,使いやすくした調味料である.市販の加工食品の表示を見て頂ければおわかりのように,このようなエキスやたん白加水分解物は,ほとんどの食品に使用されている.
おいしい食物をつくるにはその風味が重要であり,調味料の役割は大きい.食品の風味に関与する成分の解明,うま味,コク,減塩調味に加えて風味と健康機能との関係など新しい研究も進展している.
一方,調味料として風味が優れたものを作り,保存性も良く,安心して安全に使用されるためには,原料の選択,抽出法,濃縮法,保存安定性の確保など製造技術面の役割が大きい.
著者は,民間会社でうま味調味料,たん白加水分解調味料,エキス調味料の研究,開発,製造に携わり,さらに関連する業界団体で経験した安全・安心の確保なども含めてまとめたのが本書である.
天然系調味料は,非常に広く食品業界に浸透しているため,調味料会社の方はもとより,食品に関与されている製造,販売,研究,給食関係,および大学で食品を専攻される方々の参考になれば幸いである.