内容

目次

はしがき　　 ◆第1部◆ 国際人権保障制度の実相と展望 1 普遍的定期審査の理想と現実 ――相互審査の内実――〔坂元茂樹〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 普遍的定期審査の現実 ――事例研究を通して 　Ⅲ 作業部会による再検討 　Ⅳ おわりに 2 女性差別撤廃条約から見た民法750条 ――夫婦同氏制度―― 　　〔林　陽子（女性差別撤廃委員会（国連条約機関）委員、弁護士）〕 　Ⅰ 問題の所在 　Ⅱ 民法750条の成立から現在まで 　Ⅲ 条約批准と国内法整備 　Ⅳ 民法750条の女性差別撤廃条約適合性 　Ⅴ 条約の直接適用可能性および被害者の救済 3 ILO基準適用監視制度再考〔吾郷眞一（九州大学大学院法学研究院教授）〕 　Ⅰ 国際法実施過程における監視の意義 ――序にかえて 　Ⅱ ILO基準実施監視の法的根拠 　Ⅲ 特別な監視機構 　Ⅳ 監視の現状と問題点 ――結びにかえて ◆第2部◆ ヨーロッパ人権保障制度の新展開 4 ヨーロッパ人権裁判所と国内裁判所の「対話」？ ―― Grand Chamber Judgment of Al-Khawaja and Tahery v.the United Kingdom ――〔江島晶子（明治大学大学院法務研究科教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 摩　　擦 　Ⅲ ｢対　話」 　Ⅳ 小　　結 5 ヨーロッパ人権裁判所の受理可能性審査手続に関する改革について 　　――第14議定書及びその後の発展を中心にして――〔大塚泰寿(甲南大学非常勤講師)〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ ヨーロッパ人権条約第14議定書成立の原因 　Ⅲ 第14議定書による受理可能性審査手続に関する諸改革 　Ⅳ 改革に関する諸問題 　Ⅴ 将来の展望―むすびにかえて 6 欧州人権条約における個人申立権の濫用 ――人権裁判所の判例の検討を中心に――〔西片聡哉（京都学園大学法学部准教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 申立人の法廷での行為 　Ⅲ 条約システムと釣りあわない些細な不利益 　Ⅳ おわりに 7 EU基本権憲章上の庇護権 ――解釈と庇護関連指令を含む国内適用――〔佐藤以久子（桜美林大学リベラル・アーツ学群・法学政治学系准教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ EU法上の庇護に関する枠組規定 　Ⅲ EU庇護権規定の国内適用 　Ⅳ おわりに ◆第3部◆ 人権保障を巡る憲法と条約の相克 8 障害者権利条約の国内実施をめぐって〔棟居快行（大阪大学大学院高等司法研究科教授）〕 　Ⅰ 問題の所在 　Ⅱ 「障害（者）」の定義 　Ⅲ 障害者差別の特殊性 　Ⅳ 「障害者の憲法上の権利」――複合的権利として 　Ⅴ 立法にあたり予想される困難とその克服 ――仮設事例を用いた検討 　Ⅵ 「立法事実」の存在 9 日本国憲法における「法律に対する条約優位」と「人権」条約の適用 　　――憲法制定過程及び大日本帝国憲法の解釈における条約の地位の検討から――〔建石真公子（法政大学法学部教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 法規範としての人権条約の特質 　Ⅲ 最高裁判所における人権条約の適用 ――法律等の条約適合性審査 　Ⅳ 日本における「条約に対する法律優位」原則 　Ⅴ おわりに 10 緊急事態における人権の制限〔初川　満（横浜市立大学国際総合科学部教授）〕 　Ⅰ 序として 　Ⅱ 国際人権法における人権の制限手法 　Ⅲ 英国における権利の停止 　Ⅳ 緊急事態と日本 　Ⅴ 結びとして ◆第4部◆ 国内人権訴訟の諸相 11 受刑者の選挙権と比例性の原則〔武村二三夫（日弁連国際人権問題委員会委員長、弁護士）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 受刑者の選挙権制限 　Ⅲ 国際的な裁判例とその審査手法 　Ⅳ 考　　察 12 難民訴訟事件における迫害の解釈と退去強制の執行停止 　　〔安藤由香里（大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任助教）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 日本の裁判例における迫害の解釈 　Ⅲ 日本の裁判例における退去強制の執行停止 　Ⅳ おわりに 13 障害者の権利に関する条約とサリドマイド被害者〔更田義彦（上智大学法科大学院教授、弁護士）〕 　Ⅰ サリドマイド被害者と権利回復への闘い 　Ⅱ 障害者権利条約（2006年）の日本に対するインパクト ◆第5部◆ 移行期正義の課題と対応 14 国際刑事裁判所における手続上の問題 　　――いわゆる「証人テスト」を例として――〔尾﨑久仁子（国際刑事裁判所判事）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ ICCにおける刑事手続 　Ⅲ 各国国内法における証人テスト 　Ⅳ 国際刑事裁判法廷における証人テスト 　Ⅴ ICCにおける証人テスト禁止の問題点 　Ⅵ おわりに 15 強制失踪条約における非国家主体の人権侵害行為と締約国の責任〔薬師寺公夫〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ ジェノサイド条約における非国家主体による人権侵害行為と締約国の責任 　　　――ジェノサイド条約適用事件ICJ 判決を手がかりに 　Ⅲ 一般的人権条約における非国家主体による人権侵害行為と締約国の責任 　　　――失踪の典型事例を手がかりに 　Ⅳ 拷問禁止条約及び強制失踪条約における非国家主体による人権侵害行為と締約国の責任 　Ⅴ むすびにかえて 16 国連人道問題調整事務所の機能と組織化 ――統合・調整機能とその正当性――〔川村真理（杏林大学総合政策学部准教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 権限と組織構造 　Ⅲ 機　　能 　Ⅳ 統合・調整の正当性とアカウンタビリティー 　Ⅴ おわりに 17 クラスター弾条約及び対人地雷禁止条約における除去・廃棄義務とその支援義務 　　――非常設・非公式・非政府間組織を利用した履行確保の効果――〔林　美香（神戸大学大学院国際協力研究科准教授）〕 　Ⅰ はじめに ――多国間条約の履行確保 　Ⅱ クラスター弾条約及び対人地雷禁止条約における除去・廃棄義務とその支援義務 　Ⅲ 非常設の履行確保手段 ――「締約国会合」および「検討会議」 　Ⅳ 非公式の履行確保手段 ――「会合間作業プログラム」及び「会合間会合」 　Ⅴ 非政府間組織を利用した履行確保 ――「実施支援部門」 　Ⅵ 結　　論 ◆第6部◆ 課題に挑む国際機構 18 国際機構の免除と国際公務員の身分保障 　　――欧州人権裁判所Waite & Kennedy判決が及ぼした影響――〔黒神直純（岡山大学大学院社会文化科学研究科教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ Waite & Kennedy事件―国際機構の裁判権免除と「公正な裁判を受ける権利」 　Ⅲ Waite & Kennedy判決後の展開 　Ⅳ おわりに 19 国際再生可能エネルギー機関（IRENA）について〔酒井啓亘（京都大学大学院法学研究科教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ IRENAの設立 　Ⅲ IRENAの活動とその性格 　Ⅳ おわりに 20 リスボン条約体制下の構成国議会の役割 　　――構成国議会による審査制度の促進の観点から――〔荒島千鶴（神戸学院大学法学部准教授）〕 　Ⅰ はじめに ――ニース条約からリスボン条約へ 　Ⅱ EU法 　Ⅲ EUにおける代表制民主主義の制度と実態のダイナミズム 　Ⅳ おわりに ◆第7部◆ 伝統的国際法概念の変容と発展 21 投資条約仲裁における国際法と国内法の適用と機能〔森川俊孝（成城大学法学部教授、横浜国立大学名誉教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 投資条約と適用法の決定 　Ⅲ 国際法と国内法の適用と機能 　Ⅳ おわりに 22 韓国における未承認国家の法的地位 　　――韓国の国内裁判における北朝鮮の著作権保護を中心に――〔呉　美英（韓国東國大学校法科大学法学科副教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 国際法上未承認国家の法律適用 　Ⅲ 韓国と北朝鮮の法的地位 　Ⅳ 韓国の国内裁判における北朝鮮の著作物の保護 　Ⅴ おわりに 23 グローバル・ガバナンス・ギャップと国際秩序形成に関する一考察 　　――国連「（人権の）保護，尊重，救済の政策フレームワーク」と国家管轄権の域外適用に対する視座を中心に―― 　　〔大窪敦子（世界銀行法務総局上級法務担当官）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 人権，企業と国際法 　Ⅲ 国家管轄権の域外適用と国際秩序形成 　Ⅳ おわりに 24 領域紛争における仮保全措置の新展開 ――最近の国際司法裁判所判例とその含意――〔李　禎之（岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ 指示要件 ――被保全権利の変容 　Ⅲ 措置内容 ――紛争悪化防止機能の強化 　Ⅳ おわりに 25 非国家主体と自衛権 ――「侵略の定義」決議第3条(g)を中心に――〔浅田正彦（京都大学大学院法学研究科教授）〕 　Ⅰ はじめに 　Ⅱ ニカラグア事件判決における自衛権と帰属論 　Ⅲ 「侵略の定義」決議 　Ⅳ 国家実行 　Ⅴ おわりに 芹田健太郎先生略歴・主要業績（巻末）