国際法の実践~小松一郎大使追悼~
内容
目次
はしがき 第一部 国際社会における法の支配 一 日本の安全保障 1 日本の平和貢献とその法的基盤〔柳井俊二〕 一 湾岸戦争の教訓 二 平和貢献の経験と従来の政府憲法解釈による制約 2 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)と日本〔酒井啓亘〕 一 はじめに 二 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の設置経緯とその任務 三 日本の部隊派遣及び活動をめぐる問題 四 おわりに 3 国際法における「国家」概念と「領域主権」概念の歴史性と普遍性に関する一考察 ―いわゆるIS(「イスラーム国」)をめぐる国際法上のいくつかの論点を手がかりとして―〔植木俊哉〕 一 はじめに―問題の視座 二 国際法上の「交戦団体」「反乱団体」概念をめぐって―その位置づけと機能 三 現代国際法における「国家」概念―国際法上の「国家承認」と「国家性」論に照らして 四 おわりに―国際組織による領域の国際管理との関係で 4 国内紛争における平和維持活動原則の再評価―国連コンゴ活動(ONUC)を素材として―〔広見正行〕 一 はじめに 二 公平原則 三 自衛原則 四 おわりに 5 集団的自衛権をめぐる憲法と国際法〔村瀬信也〕 一 はじめに 二 集団的自衛の権利の「保有」と「行使」 三 集団的自衛権行使の想定事例 四 個別的自衛権「拡張」論の陥穽 五 「武力攻撃に至らない武力行使」に対する対応 六 国内法の対抗力・抑止力 6 国際法上の集団的自衛権における「宣言」・「要請」の法的意義 ―安保法制懇談会報告書と憲法解釈変更に関する閣議決定の批判的検討―〔根本和幸〕 一 問題の所在 二 国際法上の集団的自衛権の要件 三 閣議決定と安保法制懇談会による報告書における集団的自衛権 四 結 語 二 日本と国際紛争の解決 7 管轄権判決と暫定措置命令から見た国連海洋法条約の下での強制的紛争解決制度の意義と限界〔河野真理子〕 一 はじめに 二 UNCLOS第XV部の紛争解決制度 三 UNCLOS第XV部の紛争解決制度における強制管轄権 四 強制管轄権と暫定措置命令 五 おわりに 8 捕鯨事件にみる国際組織の創造的展開 ―「加盟国の誠実協力義務」の立証責任転換機能に注目して―〔佐藤哲夫〕 一 はじめに 二 国際組織の創造的展開の理論 三 捕鯨事件判決 四 勧告的決議の採択と条約の発展 五 加盟国の誠実協力義務 六 事実上の立証責任の転換 七 国際組織の創造的展開の新しい可能性 八 おわりに 9 化学兵器禁止条約における遺棄化学兵器の廃棄―廃棄期限問題を中心に―〔浅田正彦〕 一 はじめに 二 中国に遺棄された日本の化学兵器 三 化学兵器禁止条約における貯蔵化学兵器の廃棄 四 化学兵器禁止条約における遺棄化学兵器の廃棄 五 おわりに 10 中国民航機ハイジャック事件〔堀之内秀久〕 一 はじめに 二 事件の発生 三 論点の整理 四 方針の決定 五 安直な解決策の拒否 六 その後の展開 七 おわりに 11 国際海洋法裁判所における暫定措置を通じた船舶釈放―アークティック・サンライズ号事件の問題点―〔岩石順子〕 一 はじめに 二 アークティック・サンライズ号事件 三 暫定措置命令における保証金設定と船舶釈放の可能性 四 おわりに 三 国際刑事裁判 12 侵略犯罪規定採択への貢献〔岡野正敬〕 13 侵略犯罪に関する国際刑事裁判所規程カンパラ改正の戦争犯罪処罰に与える影響〔真山 全〕 一 はじめに 二 非国際的武力紛争におけるダムダム弾等の兵器使用による戦争犯罪と同意要件 三 国際的武力紛争における害敵方法手段使用による戦争犯罪と第一二一条五項に基づく改正発効 四 おわりに 14 ローマ規程の改正の法的特徴について〔洪 恵子〕 一 はじめに 二 ローマ規程における改正のための仕組み 三 検討会議(カンパラ会議)における改正に関する法的特徴 四 おわりに 15 指導者の犯罪としての侵略犯罪―システム責任の顕在化〔古谷修一〕 一 はじめに 二 平和に対する罪におけるシステム責任の側面 三 ICCの侵略犯罪におけるシステム責任 四 システム責任の他の犯罪への拡張 五 結びにかえて 16 国際刑事裁判所(ICC)検察局による予備的検討〔村井伸行〕 一 はじめに 二 予備的検討制度の意義、手続及び基準 三 予備的検討制度の若干の論点の検討 四 おわりに 17 拷問禁止条約における容疑者所在地国の義務に関する覚書〔薬師寺公夫〕 一 はじめに 二 拷問禁止条約における締約国の法整備義務―国内犯罪化、裁判権設定及び犯罪人引渡し手続のための法整備 三 拷問禁止条約における容疑者所在地国の具体的条約実施義務―容疑者の所在確保、予備調査及び「引渡し又は訴追」義務の実施 四 むすびにかえて 四 海 洋 法 18 国連海洋法条約における協力義務―情報の収集・提供・共有の義務を中心として―〔奥脇直也〕 一 現代国際法における協力義務の位相 二 UNCLOSの用語法 三 情報提供または共有の義務 四 結論に代えて 19 地域漁業管理機関の機能拡大が映す国際法の発展―漁業規制から海洋の管理へ―〔坂元茂樹〕 一 はじめに 二 国連海洋法条約による転換 三 環境問題としての生物資源の持続可能な利用と保存の登場 四 国連公海漁業実施協定による発展 五 地域漁業管理機関合同会合の発足 六 漁業と海洋環境の調和―新たな対立軸の出現 七 おわりに 20 国家管轄権外における海洋生物多様性―その保全と利用―〔濱本正太郎〕 一 はじめに 二 国家管轄圏外の区域における海洋生物多様性の保全―海洋保護区(MPA) 三 海洋遺伝資源の利用から生じる利益へのアクセスと分配(MGR-ABS) 四 立 法 論 五 おわりに 21 境界未画定海域における一方的資源開発と武力による威嚇―ガイアナ・スリナム仲裁判決を参考として〔中谷和弘〕 一 はじめに 二 CGX事件 三 CGX事件に関する省察 四 境界未画定海域における一方的行動 五 境界未画定海域における一方的行動に関する省察 22 国際法上の海賊行為による被侵害法益〔森田章夫〕 一 はじめに 二 公海条約関連規定と起草過程の概観 三 海賊行為構成要件の検討 四 結 び―被侵害法益の観点からする海賊行為構成要件の法的意義 五 歴史・思想・理論 23 山川端夫の国際法観〔柳原正治〕 一 はじめに 二 国際法と近代日本 三 国際紛争解決の方法―戦争と国際裁判 四 おわりに 24 人の掠奪とルソー・ポルタリス原則〔山内 進〕 一 はじめに 二 掠奪と捕獲 三 人の掠奪 四 ルソー・ポルタリス原則 五 結 び 25 二一世紀の世界における規範を求めて―世界秩序と国家の役割の進化についての一考察―〔近藤誠一〕 一 はじめに 二 国際関係の展開と主権国家 三 国連体制とリベラル・デモクラシーの台頭 四 歴史のうねり―国家とリベラル・デモクラシーへの挑戦 五 これからの世界 26 人権外交の法理論―外交における国際法をめぐる一考察〔寺谷広司〕 一 問題の所在 二 人権外交の基礎 三 人権外交の実現態様 四 結 び 第二部 追 想―小松一郎の思想と行動 お別れの言葉〔安倍晋三〕 一 若い頃からの仲間 1 畏友・心友、五〇年の交友録〔武智健二〕 2 小松君との出会いとその後〔田中誠一〕 3 理に生きた見事な外交官人生·〔神余隆博〕 4 フレンチ・スクールの仲間、小松君〔山口英一〕 5 小松君との想い出〔信元久隆〕 6 小松先輩への手紙―仕事とお酒の思い出〔伊藤哲雄〕 7 出会いからお別れまで〔林 景一〕 二 国際法学界との交流 8 共鳴と批判―小松一郎氏との交友三三年〔村瀬信也〕 9 研究会での喧々諤々〔芹田健太郎〕 三 在外勤務の頃 10 在ジュネーヴ代表部以来〔林 貞行〕 11 熱血漢小松さんとの在外勤務〔石垣泰司〕 12 わが師小松一郎さん〔柴田和夫〕 13 公邸シェフからみた小松大使〔越川和久〕 四 国際法局・法制局 14 盟友小松一郎君〔柳井俊二〕 15 傑出した国際法の解釈者〔鶴岡公二〕 16 正義感と法的信念〔兼原信克・兼原敦子〕 17 国士は消え去らず〔山上信吾〕 18 恩師からの三つの宿題〔正木 靖〕 19 法的論点を踏まえて知恵を出す〔道井緑一郎〕 20 国際法の実践者としての生涯〔御巫智洋〕 21 小松さんの言葉〔大平真嗣〕 22 大輪の花、菊師に似て〔望月公一〕 夫・小松一郎の人生を振り返って〔小松まり〕 小松一郎大使略歴、主要著作
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