内容
『出雲國風土記』は良好な伝本に恵まれていない。蓬左文庫本『出雲國風土記』(名古屋市蓬左文庫蔵本)は徳川本・徳川家本とも称され、日御碕本の親本で、1634年7月以前の写本であり、現在良本とされている細川家本や倉野本と肩を並べる。最新技術による影印、そして全文の翻刻・校異、詳細な解題を付す。【目次】 凡例 写本略号ターム注記 解題 校異の写本について 蓬左文庫本について 蓬左文庫本の書誌事項 蓬左文庫本における筆記について 蓬左文庫本における書き込みについて 蓬左文庫本における汚損について 日御碕本との関係について影印・翻刻 蓬左文庫本から日御碕本へ─『出雲國風土記』写本考─ 一 蓬左文庫本と日御碕本の概要 二 蓬左文庫本の位置 三 蓬左文庫本から日御碕本へ 四 『鈔』との関係から