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女人禁制の人類学~相撲・穢れ・ジェンダー~

鈴木 正崇  著

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価格 \2,750(税込)         

発行年月 2021年08月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 371p,15p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/社会科学/民族学・民俗学・人類学/民族学・民俗学・人類学
ISBN 9784831856500
商品コード 1033509238
NDC分類 387
基本件名 民間信仰
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2021年10月2週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033509238

著者紹介

鈴木 正崇(著者):1949年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。慶應義塾大学名誉教授。日本山岳修験学会会長。 主な著書に、『中国南部少数民族誌』(三和書房)、『山と神と人』(淡交社)、『スリランカの宗教と社会』『祭祀と空間のコスモロジー』(春秋社)、『神と仏の民俗』『女人禁制』(吉川弘文館)、『山岳信仰』(中央公論新社)、『ミャオ族の歴史と文化の動態』『熊野と神楽』(平凡社)、『東アジアの民族と文化の変貌』(風響社)。 主な編著に『大地と神々との共生』(昭和堂)、『東アジアの近代と日本』『東アジアの民衆文化と祝祭空間』『南アジアの文化と社会を読み解く』『アジアの文化遺産』(慶應義塾大学出版会)、『神話と芸能のインド』(山川出版)、『東アジアにおける宗教文化の再構築』『森羅万象のささやき』(風響社)。 受賞歴として、1997年に義塾賞、2014年に第11回木村重信民族藝術学会賞を受賞。2016年,「日本の山岳信仰と修験道に関する宗教学的研究」の業績で第18回秩父宮記念山岳賞(日本山岳会)を受賞。

内容

本書は「女人禁制」に関する問題点を読み解く実践的な試みである。賛成か反対か、伝統か差別かの二者択一を乗り越えて、開かれた対話と議論を促す。文化人類学の立場からの考察を主軸に、民俗学や宗教学、歴史学や国文学の成果も取り込んで、総合的に考察する。女人禁制の問題を考える人にとって長く活用される必読書となるべき1冊。

○第一章 相撲と女人禁制
2018年に大相撲の舞鶴巡業の際に、土俵上で倒れた市長を助けるために女性が土俵に上がって「女人禁制」が問題視された出来事を取り上げる。「土俵の女人禁制」について、その起源と展開を考察する。近代の国技館開設以後、表彰式などの「近代の儀式」を創出した大相撲は、「国技」としての権威を高めてナショナリズムと同調していった。戦後は、前近代以来の「土俵祭」の伝統を維持する一方で、表彰式を男性参加に限定して土俵上で行うという矛盾が露呈して、「土俵の女人禁制」が問題視されることになった。
○第二章 穢れと女人禁制
「女人禁制」を古代・中世・近世・近代の穢れの変化と関連付けて検討。古代では、戒律に基づき、仏教寺院の「結界」として女性を排除した。一方、山と里の間の「山の境界」は、仏教の影響を受けて「山の結界」となり、「女人結界」へと変化。女性の穢れ観も歴史的に変化し、中世後期には『血盆経』の影響で罪業観や血穢の強調ともに展開し、近世には民衆の間に広がって定着。明治5年に女人結界は解禁されてほぼ消滅した。またスリランカやインドの事例など人類学の理論をふまえて、穢れ論の再構築と一般化の可能性を探った。
○第三章 山岳信仰とジェンダー
女人禁制の言説を、歴史の中の女人禁制、習俗としての女人禁制、社会運動の中の女人禁制、差別としての女人禁制に分け、ジェンダーの問題を視野に入れて論じる。地域社会の事例として、現在も女人禁制を維持する大峯山の山上ケ岳山麓の洞川を取り上げた。神仏分離以後の再編成、国立公園の登録、交通路の整備、山麓寺院の女人解禁、禁制地区の縮小、女性による新たな動き、伝統の再発見、禁制解禁の胎動、世界遺産、日本遺産などを関連付けて、女人禁制の行方を展望する。
○「現代の相撲の女人禁制関連の出来事」「近代女人禁制関係年表」などの年表や、詳細な索引を附した。
○著者は、文化人類学の碩学であり、大相撲や大峯山の女人禁制に関して、常にマスコミから識見を求められてきた。『女人禁制』(吉川弘文館、2002年)以降の研究の進展を踏まえ、現時点の思索の到達点として世に問う。

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