内容
京都丹後の天橋立は、宮島・松島と並ぶ日本三景の一つとして知られ、約300万人の観光客が訪れていることからわかるように、その風光明媚な景観は現代の人々を魅了し続けている。
本書では10年間にわたって実施されている調査・研究にもとづきつつ、天橋立の「文化的価値」について、日本史学・考古学・美術史学・歴史地理学・文学・風景学・森林植生学といった幅広い分野の研究者たちによって、従来とは異なる視点から深く考察されるだけでなく、その考察結果が平易に語られており、まさに天橋立の古代から現代までを含めた長いスパンの歴史を、より深く知るための格好のガイドブックとなっている。
【本書の特色】
◆「日本三景」としての歴史はもちろん、「日本三景・天橋立」以前の長い歴史についてもこれまでにない視点から検討され、その歴史に埋もれた地域の姿を再発見し、天橋立を再評価する画期的な試みの数々を収録。
◆現地調査や文献精査の記録だけでなく、海外の世界遺産との比較考察や地元宮津で有志によって取り組まれた活動の記録や周辺の文化財分布地図までを収録した決定版。