会計の社会言語論的展開
長谷川茂
著
発行年月 |
2008年03月 |
|---|
|
|
言語 |
日本語 |
|---|
媒体 |
冊子 |
|---|
|
|
ページ数/巻数 |
322p |
|---|
大きさ |
22 |
|---|
|
ジャンル |
和書/社会科学/経営学/会計学 |
|---|
|
|
ISBN |
9784839420611 |
|---|
|
商品コード |
0108033506 |
|---|
NDC分類 |
336.9 |
|---|
|
|
|
|
|
|
商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=0108033506 |
|---|
著者紹介
長谷川茂(著者):長谷川茂(はせがわしげる)
1961年 早稲田大学第一商学部卒業
1966年 同 大学大学院商学研究科博士課程単位修得
1965~69年 福島大学経済学部助手、専任講師
1969年 早稲田大学社会科学部専任講師、助教授を経て
1975年 同 学部教授
内容
会計には社会から種々の役割期待が向けられている。生成史的にみて、会計ではこれらの期待のうち最大公約数的なものに応えることをもってその主要な目的と位置付け、これを中心に理論の枠組や会計諸基準をつくってきている。しかも、会計である以上、その表現手段として必ず複式簿記の計算機構で加工された会計数値を予定している。ここから、会計は、しばしば自然現象であるかのように誤解を受けるが、けっしてそうではない。会計という現象は社会規範の1つである。会計には、それが行われている時代と場所の諸条件が色濃く反映されており、会計を解明するにはその社会的背景と係わらせてこれを行うことが必要になる。
社会から期待されている役割のうち、株式会社制度の誕生以降で会計でしか果たすことのできない独自のものは、出資者への結果報告と結果の分け前の算定であったし、現在でも依然として同じはずである。会計ではこれをその主要な目的と位置付け、理論の枠組みも会計諸基準もつくられてきていたが、1990年代以降国際会計基準の動向と関連してこれが揺らいでいる。会計に対する役割期待として投資意思決定への情報提供の側面が強調されているが、これは会計にしか担えないものではない。したがって、これを会計の主要な目的に位置付ける必然性はない。このことは決して忘れてはならない。これまでの会計も1つの目的を中心に全体が整合的につくられていたわけではないが、二兎を追ってその混迷の度合いをさらに大きくすることもないであろう。自己目的を持っておらず手段的性格の強い会計からいえば、役割期待ごとに別個の会計を実施できれば理想的であろうが、会計の経済性の上で困難であろう。そうであるならば、会計にしか担えない独自の役割は何なのかを改めて考えてみる必要があるのではないかと思う。
その際手がかりになるとみられるのが、社会言語学の分野で発展している意味論と語用論での知見かと思う。会計は、社会言語の一種といえるからである。さりげなく公表されている会計数値にも、その作り手である企業が、社会でのしかるべき役割期待を想定し伝えたいと意図する何かが意味として盛り込まれているはずなので、このような知見を借手解明を進めれば何らかの示唆が得られると思われる。