内容
●細胞培養する上で必要な基礎知識や技術を、写真やイラストを用いて解説!
細胞培養は、幹細胞培養技術やゲノム編集技術の発展によって、今日では単なる基礎研究用の技術だけではなく、疾患治療の一環として用いられる技術にまで発展を遂げました。そのような背景において、現在の細胞培養に要求される技術としては、細胞を無菌環境下で維持する技術はもとより、細胞種間のクロスコンタミネーションを防いだり、不顕感染した細胞を検出したり、細胞増殖のスピードを測定するなどして、細胞の品質を維持する技術についても、より重要視されるようになっています。
本書は、細胞を培養する上で必要な基礎知識や技術について、写真やイラストを用いながらわかりやすく解説したものです。第2版では内容を単にアップデートするのではなく、細胞培養のより正しい知識が身につくように、モデル実験の内容や実習スケジュール等まで入念な確認作業を経て編集した内容となっています。
日本組織培養学会では、細胞培養技術の標準化を目指して「細胞培養士」の学会認定制度を行っています。初心者が細胞培養の基本をマスターできる「細胞培養基盤技術コースⅠ」は15年間で300名を超える学会員が受講しました。さらに、現在は中級者向けに培養細胞の品質管理やアッセイを実践して学ぶ「細胞培養基盤技術コースⅡ」、細胞培養に関する業務全般を一人でこなせるようになるための知識を身につける「細胞培養基盤技術コースⅢ」を展開しています。本書はこれらの講習の“教科書”ともいえる存在です。