内容

目次

はじめに 第1章　時代の夜明けを生きたヒロインたち　宋慶齢と近代中国の女性 封建社会の束縛をほどいて/自由恋愛と文明結婚の実践/時代の逆風のなかの女たち/戦争・内戦・文化大革命を超えて 第2章　農民、モボ、革命家、そして「神」と「悪魔」へ　毛沢東 「ベストセラー」をふる人びと/ハットリくんと毛沢東/毛沢東を知るために/毛沢東の青春─湖南のモボ、北京へ行く/共産党の異端児、戦火の中の人生/永久革命の思想/エピローグ─「神」になった毛沢東 第3章　共和国のヒーロー像　白毛女から雷鋒まで 中国古典のキャラクターと共和国の英雄物語/白毛女─化け物から人間へ/武訓─英雄になり損ねた男/楊子栄─虎殺しの英雄/呉瓊花─戦闘美少女/雷鋒─永遠のヒーロー 第4章　海を渡り日本をめざす　魯迅と留学生たち 革命運動と文学・芸術活動─魯迅ら第一世代の留学生/エリートの満喫した大正文化─郭沫若・郁達夫ら第二世代/マルクス主義の洗礼─夏衍・黄瀛ら第三世代/国境を超えた連帯─胡風ら第四世代/軍靴のあしおとが聞こえる─張香山・雷石楡ら第五世代/日中戦争開戦後の留学生 第5章　まだ見ぬ星座を求めて　廃名と星々のものがたり 色とりどりの光─新詩について/現代のシャーマン─散文について/「怪力乱神」を語りつくそう─神秘と幻想の世界/まだ見ぬ星座を求めて─廃名と星々のものがたり 第6章　戦争・恋愛・家庭を描いた女性作家たち　張愛玲 国際都市・上海と香港における戦争/小説集『伝奇』と女性像/家庭・結婚を描いた女性作家たち/アイリーン・チャンとして─新中国建国後と晩年 第7章　激動の時代を生きた美しい男　梅蘭芳 男が演じる「うつくしい人」/女形の一族─梅家の芸/悠久の古都からまばゆきメトロポリスへ─梅蘭芳の上海公演/美の頂点を目指して─梅蘭芳とブレイン集団/「女形」と女性立役との恋物語/海外への飛翔と日本人の熱狂/“中国人”としてのプライド─日中戦争期の梅蘭芳/「解放」を迎えて─中国に残った梅蘭芳/栄光に包まれて─文化大革命に“間に合った”梅蘭芳の死 第8章　国家と歴史のはざまから　李香蘭 「両端を踏む」こと/李香蘭と呼ばれて/川島芳子との出会い/映画スターへの道/国籍不明のダンサー、ミス・マヌエラ/許泳、日夏英太郎、ドクトル・フユン/シャーリー・ヤマグチとイサム・ノグチ/「3時のあなた」から政界入りまで 第9章　孤高のヒーロー　ブルース・リー ブルース・リーの生涯/ブルース・リーの作品/ブルース・リーの香港/ブルース・リーと「国家」/戦う理由・戦いの後味/戦いの系譜/アイデンティティを求めて 第10章　一人の歌姫と〈二つの中国〉　テレサ・テンと鄧麗君 天才少女歌手鄧麗君の誕生/テレサ・テン日本デビューと不正パスポート事件/中華民国の「愛国タレント」鄧麗君と中華人民共和国/テレサ・テン日本再デビューと「愛人」イメージ/幻の天安門広場でのコンサートと天安門事件/テレサ・テン／鄧麗君の死/テレサ・テン／鄧麗君とは？ 第11章　政治に翻弄される知識人たち　銭鍾書と楊絳 士大夫とは誰か─欧米へ留学したエリートたち/知識階級の「知」のかたち─銭鍾書の『囲城』/政治に翻弄される知識階級─楊絳の『風呂』 第12章　苦悩する自由派知識人　劉暁波が投げかける問い 中国人初！のノーベル平和賞受賞。だが……/すべては天安門から始まった/民主化のうねりと『08憲章』/「私には敵はいない」/莫言のノーベル文学賞受賞 第13章　幻想と政治のはざまで　ダライ・ラマのいないチベット ダライ・ラマのいないチベット/チベット文化圏とチベット自治区/チベットの近代/チベットへの道/転生するダライ・ラマとパンチェン・ラマ/チベットの現代/チベット語と漢語でつづられる文学 第14章　21世紀の“鬼子”たちへ　日本鬼子 “抗日戦争”から“東方主戦場”へ/“鬼子”とはなにか/鬼子ことば/“紅色経典”の“鬼子”たち/増殖する“鬼子”たち/日本人が演じる“鬼子”/雷撃の抗日/「中国」について考えるために あとがき 中国地図 執筆者一覧