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証聖者マクシモス『難問集』~東方教父の伝統の精華~
マクシモス
著
谷 隆一郎
翻訳
発行年月 |
2015年10月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
17p,535p,11p |
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大きさ |
22cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/哲学/中世哲学 |
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ISBN |
9784862852199 |
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商品コード |
1019042120 |
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NDC分類 |
132.1 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2015年12月2週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1019042120 |
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内容
本書は証聖者マクシモス(580頃-662)が主にナジアンゾスのグレゴリオス(329/30-389/90)と,ディオニュシオス・アレオパギテース(6世紀)の諸著作から難解と思われる箇所を選び,それらを解釈し敷衍した『難問集』の全訳である。マクシモスは2世紀以来の東方・ギリシア教父の全伝統を継承し,豊かに展開させたことにより,東方教父の伝統の集大成者,ビザンティン神学のチャンピオンと目されてきた。彼の探究は,ヘブライ・キリスト教による古代ギリシア哲学の「受容,拮抗そして超克」という未曽有の歴史の縮図であり,それらを映し出した姿であった。その営みは極めて困難かつ根源的で,そこに形成されたものは時代,民族,地域を超えた普遍性を備えており,人類の古典に相応しい。人間にとって神の本質は不知に留まり,神はただそのエネルゲイア(働き)との出会いから,経験され知られるに過ぎない。原初的には神的エネルゲイアを宿した〈信という魂のかたち〉として,神は顕現し不完全な仕方で知られる。本書はこれら存在のダイナミズムを通して哲学(愛智)=神学の可能性を開示する。訳者による詳細な注解と本格的な解説は,西方教父とは違う新たな知と信仰の世界に読者を誘うであろう。