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ゲーテとドイツ精神史~講義・講演集より~(知泉学術叢書 11)
エルンスト・カッシーラー
著
田中亮平,
森淑仁
編
発行年月 |
2020年01月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
13p,455p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/文学/ドイツ文学 |
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ISBN |
9784862853080 |
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商品コード |
1031413961 |
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NDC分類 |
940.268 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2020年02月5週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1031413961 |
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内容
本書ではカッシーラーの遺稿集のうちゲーテを論じた第10巻と11巻から主要なものを編集,訳出した。カッシーラーの体系的文化哲学「象徴形式の哲学」の源泉的モチーフはゲーテの芸術理論と科学理論に由来する。その自然観,芸術観の根幹は「有機的形態の形成と変成」であり,そこにゲーテの象徴論の要諦を見る。彼はゲーテのテキストに向き合い,哲学的,科学史的そして文芸学的関心を注いだ。
前半の「ゲーテと精神史」では,ゲーテが生の直接性において〈精神〉を捉えることにより,精神史の根底にある理念を問題とし,そして彼の教養理念はゲーテ文学の全体を貫いており,教養(人間形成)の概念が新たなドイツ語を生み出し歴史的に最も豊かで深いものであるとともに,教養の解体という危機をはらんでいたことが示される。
またカッシーラーは18世紀ドイツ精神史の根本問題である「形式」に注目,ゲーテ作品に〈純粋な形式〉の哲学を見出し,ゲーテの内的形式の理念が彼の自然観,芸術観,人間観の思想的哲学的核心であることを証明した。
後半の「若いゲーテ」では,「形式への意志」と「自由と形式」こそが,ゲーテの詩的発展と精神的発展のバランスを保つ力であったとして,『詩と真実』や『若きヴェルターの悩み』『ゲッツ』などを多面的に考察する。
カッシーラーの哲学の基軸が通説とは違い,カントよりむしろゲーテにあったことが本書を通して明らかにされる。