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道しるべ~古の師父たちにならう~
谷隆一郎
著
発行年月 |
2024年03月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
12p,269p,11p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/哲学/中世哲学 |
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ISBN |
9784862854025 |
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商品コード |
1038228019 |
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NDC分類 |
132.1 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2024年04月4週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038228019 |
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著者紹介
谷隆一郎(著者):1945年生まれ,神戸に育つ。 1969年,東京大学工学部卒業, 1976年,東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。 九州大学教授を経て,現在九州大学名誉教授。博士(文学)。 〔主要業績〕 『アウグスティヌスの哲学――「神の似像」の探究』(創文社,1994年), 『東方教父における超越と自己――ニュッサのグレゴリオスを中心として』(創文社,2000年), 『人間と宇宙的神化――証聖者マクシモスにおける自然・本性のダイナミズムをめぐって』(知泉書館,2009年),『受肉の哲学――原初的出会いの経験から,その根拠へ』(知泉書館,2019年),『証聖者マクシモスの哲学――人間・自然・神の探究』(知泉書館,2022年)。〔編訳書〕 ニュッサのグレゴリオス『雅歌講話』(共訳,新世社,1991年),『砂漠の師父の言葉』(共訳,知泉書館,2004年),『キリスト者の生のかたち――東方教父の古典に学ぶ』(編訳,知泉書館,2014年), 『証聖者マクシモス『難問集』――東方教父の伝統の精華』(知泉書館,2015年)など。
内容
著者はアウグスティヌスやニュッサのグレゴリオス,マクシモスなど東西の神学に通暁するわが国でも稀有な研究者である。本書は中世キリスト教に関する広範な知識と哲学史に対する深い造詣を駆使しながら,古典の言葉を厳選し,その貴重な意味を簡潔に紹介し現代に蘇らせる。
詩編や雅歌講話,出エジプト記,ロマ書などの書簡を含め旧約・新約の聖書や教父たちの言葉に寄り添いながら,神の働きと人の経験の不思議な出会いを道しるべとして,人が善く生きる術を探究する。
神を実態・本質として知ることはできない。神はその働きであるエネルゲイアを通して初めて知ることができる。人は神の働きを通して,その源泉たる神の存在を知ることができる。中世の神学と哲学には基底に通ずるものがあり,神への愛と知への愛はそれぞれ響き合いながら人々を深い信仰に導き,ヨーロッパの精神風土の基盤となった。
「自己が善きものになる」(魂の形式)ことは自由と意志のもとで判断し,「新しい存在の誕生」となる。それはイエスの復活と深く繋がるものであり,人は脱自的愛を通して「新しい存在」へと生まれ変わる。
本書は聖書や教父の言葉の意味を丁寧に説明し,人生を善く生きるための知恵を示してくれる命の書である。空海や世阿弥,道元などわが国の知性も同じ境地で生きていたことが紹介される。情報化,技術化,スピード化,グローバル化の日常のなかで,読者は清涼な癒しに浸るだろう。