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『君たちはどう生きるか』に異論あり!~「人間分子観」について議論しましょう~

村瀬 学  著

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発行年月 2018年04月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 162p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/哲学/倫理・道徳
ISBN 9784865651201
商品コード 1027415960
NDC分類 159.5
基本件名 君たちはどう生きるか
個人件名 吉野/源三郎
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1027415960

著者紹介

村瀬 学(著者):1949年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。同志社女子大学生活科学部特任教授。著書に「初期心的現象の世界」「「いのち」論のはじまり」など。

内容

問題提起の書 本書によって、ベストセラーをもっと有効に活用しましょう。 感動の古典的名作といわれ、漫画とあわせて大ベストセラーになっている吉野源三郎『君たちはどう生きるか』ですが、この本が生き方の模範のようにされていることに異論があります。以下の重要な問題が見逃されていると考えるからです。 ★人間観…作品の冒頭、コペル君が発見し、おじさんが科学的なものの見方として称揚する「人間分子観」は、この本の根本的なものの見方になっています。しかし、このものの見方の偏重は、進歩に寄与しない人間を排除し、人間ひとりひとりを尊重しない人間観となります。これを作品にそって具体的にみていきます。もちろん対論を提示します。 ★すり替え…「貧困」や「格差」は「労働者」の問題に、「共同の意志」と「個人」の問題が「個人」と「個人」の友情の問題にすり替えられています。こうしたすり替えは作品のいたるところに存在します。 ★英雄礼賛…文庫版解説の丸山真男氏もさじを投げ、漫画版では削除された「ナポレオン礼賛」の章。上記の人間観が英雄礼賛に結びつくのは必定です。コペル君・おじさんの発想の危うさが際立っています。 ★解決法…事件の解決は、「力」にうったえる方法によっています。本当の解決とはいえません。本書の「いじめ」に対する考え方を明確に示します。

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