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住む・棲む(シリーズ人間科学 8)
三浦麻子,
山森裕毅,
斉藤弥生,
山口宰,
野坂祐子,
髙谷幸,
福岡まどか,
辻󠄀大介,
森田敦郎
著
檜垣立哉
編
発行年月 |
2022年12月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
9p,202p,7p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/社会保障・社会福祉・社会政策
/社会保障・社会福祉・社会政策 |
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ISBN |
9784872596250 |
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商品コード |
1035536586 |
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NDC分類 |
365.3 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2023年01月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035536586 |
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著者紹介
三浦麻子(著者):大阪大学大学院人間科学研究科・教授。感染症総合教育研究拠点・兼任教員。専門は社会心理学。
〈最近の主な業績〉
三浦麻子(2017)『 なるほど!心理学研究法(心理学ベーシック 第1巻)』北大路書房
Kobayashi, T., Miura, A., Madrid-Morales, D., & Shimizu, H. (2021) Why are olitically Active People Avoided in Countries with Collectivistic Culture? A Cross-CulturalExperiment. Journal of Cross-Cultural Psychology, 52, 388-405.
山森裕毅(著者):滴塾 第二学舎・舎長。大阪大学CO デザインセンター・招へい研究員。専門は哲学、記号論、メンタルヘルス。
〈最近の主な業績〉
山森裕毅(2022)哲学対話とオープンダイアローグ.石原孝二・斎藤環編『オープンダイアローグ 思想と哲学』東京大学出版会.133-148
山森裕毅(2020)ミーティング文化の導入.松本卓也・武本一美編『メンタルヘルスの理解のために』ミネルヴァ書房.191-213
斉藤弥生(著者):大阪大学大学院人間科学研究科・教授。放送大学客員教授。専門は社会福祉学、高齢者介護、北欧社会研究。
〈最近の主な業績〉
斉藤弥生(2014)『スウェーデンにみる高齢者介護の供給と編成』大阪大学出版会
斉藤弥生・小松理佐子(2022)『地域福祉の課題と展望』放送大学教育振興会
山口宰(著者):社会福祉法人光朔会・常務理事、高齢者総合福祉施設オリンピア兵庫・館長、大阪大学大学院人間科学研究科・特任准教授。専門は社会福祉学、高齢者介護、認知症ケア。
〈最近の主な業績〉
山口宰(2013)『明日の福祉に希望の光を―オリンピアのノーマライゼーション』聖公会出版
山口宰(2018)スウェーデンの認知症ケアにおける認知症看護師の役割-ヴェクショー市の事例をもとに.斉藤弥生・石黒暢編『市場化のなかの北欧諸国と日本の介護-その変容と多様性』大阪大学出版会
野坂祐子(著者):大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。専門は臨床発達心理学、教育心理学。
〈最近の主な業績〉
野坂祐子(2022)加害者臨床における責任の所在とトラウマインフォームドケア.『現代思想』2022 年7 月号,青土社。
野坂祐子(2019)『トラウマインフォームドケア―“問題行動”を捉えなおす援助の視点』日本評論社
髙谷幸(著者):東京大学大学院人文社会系研究科・准教授。
〈最近の主な業績〉
髙谷幸編著(2022)『多文化共生の実験室:大阪から考える』青弓社
髙谷幸編著(2019)『移民政策とは何か:日本の現実から考える』人文書院
髙谷幸(2017)『追放と抵抗のポリティクス:戦後日本の境界と非正規移民』ナカニシヤ出版
福岡まどか(著者):大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は民族音楽学、地域研究(東南アジア)、文化人類学。
〈最近の主な業績〉
福岡まどか(2016)『インドネシア上演芸術の世界―伝統芸術からポピュラーカルチャーまで』大阪大学出版会
福岡まどか編著(2022)『現代東南アジアにおけるラーマーヤナ演劇』めこん
辻󠄀大介(著者):大阪大学大学院人間科学研究科・准教授。専門はコミュニケーション論、メディア研究。
〈最近の主な業績〉
辻𠄀大介編(2021)『ネット社会と民主主義―「分断」問題を調査データから検証する』有斐閣
辻𠄀大介ほか(2014)『コミュニケーション論をつかむ』有斐閣
森田敦郎(著者):大阪大学大学院人間科学研究科・教授。専門は科学技術と社会、環境の関係について人類学的研究、およびデザイン人類学。
〈最近の主な業績〉
A. Morita, P. Harvey, C.B. Jensen(ed).(2017). Infrastructures and Social complexity: A
Routledge Companion. Routledge
檜垣立哉(編者):1964年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士後期課程中退。東京大学助手、埼玉大学講師・助教授、大阪大学助教授をへて現在大阪大学教授。博士(文学 大阪大学)専門はフランスを中心とする現代哲学および京都学派を中心とする日本思想。
主な著作として『ベルクソンの哲学』(勁草書房2000年、のちに講談社学術文庫2021年)、『ドゥルーズ 解けない問いを生きる』(NHK出版2002年、のちに【増補新版】ちくま学芸文庫2019年)、『西田幾多郎の生命哲学』(2005年、のちに講談社学術文庫2011年)『賭博/偶然の哲学』(河出書房新社2008年)、『瞬間と永遠—ジルドゥルーズの時間論』(岩波書店2010年)、『日本哲学原論序説』(人文書院2015年)、『食べることの哲学』(世界思想社2018年)、『バロックの哲学』(岩波書店2022年)など。
内容
「住む」と「棲む」の二重性を生きる――。
この世に人間としてあることは、必ず環境との関連のなかで、ある場所に「住む/棲む」ことを前提としている。それは身体をもつ生物的な存在である人間が生存し続けるための必要条件であるだけでなく、環境や場所にもとづく文化・家族形態を表し、そして、科学技術の進化を伴う時代をも表している。建築や空間における「住む」だけでなく、環境や土地、人間関係の結束点としての「棲む」。「住む/棲む」ことなしに人間が生を送ることはできない。
本書では、人間科学にかかわるさまざまな学問から、「住む/棲む」に切り込む。まずは近代的建築様式と「住む」の相関性、「建築」としての住居にこだわらない可能性を論じるほか、認知症高齢者の暮らしと住まいを考える。さらに、さまざまな場所で他者とともに生きる人間社会の関係性としての「棲む」、「棲息する」、「棲みつく」といった事象を検討し、家庭内での暴力と棲み処としての「イエ」、移民の事例から「住まうこと」の意味、アーティストにとって生活・上演活動・儀礼がリンクする場としての住居を考察する。
一方、インターネット空間あるいは仮想世界も「住まう」場所となり、学校や職場以上の居場所として存在意義を持ちつつある。ネットに住まうことと現実との関係性を改めて問い直す試みも可能であろう。さらに視点を変えれば、人間にとどまらない生物全般の活動による産物として地球環境を見直すことで、地球に棲まうこと、自然とはなにかを考える。
住居・建築・テクノロジー論にとどまらず、建物に「住む」ことと、場所や人間関係や環境において「棲む」ことの交点を掘り下げる。