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朝鮮戦争無差別爆撃の出撃基地・日本
林 博史
著
発行年月 |
2023年06月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
270p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/歴史学/アジア・オセアニア史 |
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ISBN |
9784874988503 |
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商品コード |
1036034239 |
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NDC分類 |
221.07 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2023年07月2週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036034239 |
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著者紹介
林 博史(著者):1955年神戸市生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了(社会学博士)。現在、関東学院大学経済学部教授。
主な著書に、『沖縄戦と民衆』(大月書店、2001年)、『BC級戦犯裁判』(岩波新書、2005年)、『シンガポール華僑粛清―日本軍はシンガポールで何をしたのか』(高文研、2007年)、『戦犯裁判の研究―戦犯裁判政策の形成から東京裁判・BC級裁判まで』(勉誠出版、2010年)、『沖縄戦が問うもの』(大月書店、2010年)、『米軍基地の歴史―世界ネットワークの形成と展開』(吉川弘文館、2012年)、『暴力と差別としての米軍基地 沖縄と植民地―基地形成史の共通性』(かもがわ出版、2014年)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(花伝社、2015年)、『沖縄からの本土爆撃―米軍出撃基地の誕生』(吉川弘文館、2018年)、『帝国主義国の軍隊と性―売春規制と軍用性的施設』(吉川弘文館、2021年)など。
内容
朝鮮戦争は1950年6月25日、北朝鮮軍が北緯38度線を越えて韓国に侵攻して、1953年7月27日に停戦協定が締結されるまで3年1カ月にわたって行われた戦争です。
今年の7月23日は、朝鮮戦争の停戦協定が結ばれて70周年になります。しかし、70年が経った今も平和条約は締結されておらず戦争状態は依然として続いています。
朝鮮戦争について、著者は以下のように評価しています。
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朝鮮戦争は日本にきわめて大きな影響を与えた。警察予備隊から保安隊─自衛隊という再軍備がおこなわれ、憲法九条が政治の争点となる。米国は日本を冷戦のために経済的に利用するにとどまらずその軍事的役割を求めるようになる。日本の支配層の平和憲法や戦後民主主義への敵視と米国の冷戦政策が合わさって逆コースが進められ戦後の非軍事化・民主化の改革が突き崩されていった。戦争責任や植民地責任をあいまいにしながら米軍基地を受け入れるサンフランシスコ平和条約と日米安保条約が結ばれ、米軍基地が独立回復後も維持されることになった。日本にいる朝鮮人を敵視し差別する政策が積極的に取られ制度化されたのもこの戦争中だった。
米国は、朝鮮戦争前は韓国や日本本土に米軍基地を置く構想はなかったので朝鮮戦争がなかったならば、日米安保条約があったかどうかも疑問であるし朝鮮半島の状況はまったく違ったものになっていただろう。ただし沖縄は米軍の軍事支配下に置かれ続けられただろうが、朝鮮戦争があったことによってその軍事負担は強められたと言えるだろう。
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本書は、著者の上記のような問題意識のもとで、日本(特に首都東京)と沖縄の基地からB29が北朝鮮に対して無差別爆撃をおこなった実態を米空軍資料から明らかにし、日本が朝鮮戦争に深く関わっていること、特に非人道的な爆撃の出撃基地であったことを日本社会の共通認識とし、朝鮮半島の平和実現のためへの日本の貢献について考える素材を提供することを目的として執筆されました。
著者は「朝鮮戦争を終わらせ平和を実現することは戦後の日本のあり方を大きく変える可能性を秘めている」「戦争を放棄したはずの戦後日本が加害意識の欠落に無自覚であり続けていること、朝鮮戦争をはじめ米国がおこなう非人道的な戦争行為に加担し続けていること、それどころか侵略戦争や植民地支配を正当化しようとする流れが日本の主流になってしまっている現状を深刻に反省し克服しなければならない」と提言しています。