内容
本書は、リーダーシップ論を柱として、明治の建国に当たったリーダー群像の一人であった大隈重信の生涯を、他のリーダーたちとの関わりや対比を通じて照射しようとする。
大隈は新知識として明治政府に登用され、才覚を発揮し、他のリーダーとの協調と背離の交錯する中で八面六臂の活躍をする。大久保利通遭難の後には、誰が国家を率いるかで明治14年の政変となった。本書は新史実を掘り起こし、既知の事実に再検討を加えてその真相に迫る。
それを機に建国のリーダー群像を離れた大隈は、国民リーダーとしての新しい基盤を築いていく。
それは近代国家がその様相を変えて発展していく段階に対応するものであった。