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デンマーク発ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て~多様性と平等を育む10の提案~
セシリエ・ノアゴー
著
さわひろ あや
翻訳
発行年月 |
2022年08月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
201p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/社会学/家族・世代 |
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ISBN |
9784909753137 |
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商品コード |
1034644920 |
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NDC分類 |
367.1 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2022年09月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034644920 |
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著者紹介
セシリエ・ノアゴー(著者):コペンハーゲン在住。1975年生まれ。教員を経て、デンマーク教育大学(現オーフス大学)教育社会学修士課程卒。教育社会学・ジェンダー社会学のパイオニア。Mangfold主宰。20年以上にわたり、教育、文化とジェンダー、多様性が交差する点を中心に、教材開発、調査研究、講演、執筆活動を行っている。ジェンダー教育にかんする北欧諸国共同研究、欧州ジェンダー平等研究所の調査研究他、自治体の教員、保育士研修や、セクシュアリティ、ジェンダー、家庭内暴力等のテーマで教材を多数執筆。共著に『北欧的視点からみた教育現場におけるジェンダー平等とは』(2006年、日本語未訳)、イプセン著『民衆の敵』を現代のフェミニズム、アイデンティティポリティクスを用いて再解釈した『今日におけるイプセン』(2018年、日本語未訳)など。本書は著者が保護者向けに初めて執筆した本。2021年からは小さな書店とカフェ付きのシェアオフィス Over Broen を立ち上げ、インクルーシブ・フェミニズムといったキーワードにつながる活動を行う人々とさまざまなイベントを主催している。
さわひろ あや(翻訳):大阪大学大学院人間科学研究科卒。2003年よりデンマーク・コペンハーゲン在住。王立図書館大学(現コペンハーゲン大学)で司書資格を取得後、公共・学校図書館勤務。デンマークで外国にルーツのある子ども、施設に暮らす子どもに絵本や児童書を届けるためのさまざまな活動に取り組む。現在は児童書専門店に勤めながらライターや翻訳業を行っている。
内容
「女の子だから、お手伝いして」「男の子なんだから、すぐに泣かないの」……。「男も女も関係ない」とふだんは思っていたりするのに、ついうっかり、こんな言葉を子どもに言ってしまった。あるいは、自分自身が子どもだったころ、そんなふうに言われて、モヤモヤした。そんな経験はありませんか?
本書は、子どもにかかわる大人が、自らのなかにあるジェンダー・ステレオタイプ、すなわち、性別にかんする固定観念や先入観に気づき、それを無意識に次世代に引き継いでしまわないために、子どもとどのように向き合っていけばよいかを10の提案にしてまとめたものです。
著者のセシリエさんは、デンマークで20年以上、ジェンダー平等の啓発に取り組み、研修や教材作りにたずさわってきました。デンマークといえば、民主的で幸福度の高い国として知られていますが、じつはジェンダーギャップ指数は29位。北欧5カ国のなかでは最下位です。120位の日本と比べれば、はるかに上位ですが、ジェンダー・ステレオタイプが根強く残っている社会なのだとセシリエさんはいいます。
たとえば、デンマークの学校には「男の子会議」「女の子会議」といって、子どもたちを性別でわけて話し合いの場をもつことがあります。性別でわける合理的な理由はみあたらないのに、不自然だと声をあげる人は少なく、定着しています。その原因についてセシリエさんは、ジェンダー・ステレオタイプが社会の文化に根付き、日常に溶け込んでしまっているからだと指摘します。そのほか、男の子のおこづかいのほうが女の子よりも多かったり、男の子のほうが速く走ることができる、と教師が決めつけてしまったり……。デンマークでもこんなことがあるのか、と思う事例がいろいろ。
なぜジェンダー・ステレオタイプの根強い社会を変えていかなければならないのか。それは、性別にまつわるステレオタイプは「こうあるべき」という規範となって、人々の行動や考え方をしばるからです。その枠からはずれてしまうと、自分はどこかおかしいのではないか、と感じたり、自尊心が傷ついたりして、その結果、その子がもっているはずの可能性を十分にのばすことができなかったり、夢をあきらめなければならなかったりすることもあるかもしれません。
そのような事態を招かないためには、大人自身がジェンダー・ステレオタイプから自由になって、子どもたちとかかわることが大切なのです。それはまた、性別や性的指向、性表現にかかわらず、すべての人々の存在を認め、等しく価値ある存在として受けいれていくジェンダー平等な社会の実現につながっていきます。
さあ、あなたもさっそく取り組んでみませんか? 子ども一人ひとりがおたがいの違いを認め合い、自分らしく生きられるように。