内容
本シリーズは,数学の急所と思われる部分,理解に困難を感じると思われる部分,また数学全体の理解に役立つと思われる部分を要点ごとにコンパクトにまとめたシリーズである。
本書では,まず,三大作図問題の不可能性・5次方程式の解の公式の不可能性についてガロア理論を用いて論じる。続いて,ガロア理論の発想に従って正17角形の作図方法について解説をする。最後に,1の原始11乗根を求める5次方程式が四則とベキ根であらわされる,というガロア理論の応用を紹介する。本書はガロア理論の基礎から応用までを扱っており,かつコンパクトにまとめられている。したがって,大学の講義ではガロア理論がよくわからないまま終わってしまった,あるいは,もう一度深く学びなおしたい,といった読者にとって最適な一冊となるだろう。