心房細動カテーテルアブレーション
内容
目次
Ⅰ.心房細動カテーテルアブレーションの基礎知識 1.心房細動カテーテルアブレーション総論 家坂義人 心房細動カテーテルアブレーションの誕生/PAFに対するCA戦略−PVI法の確立/持続性AFに向けた基質修飾法の開発/長期持続性(慢性)AF(CAF)治療に向けた基質修飾法の開発/CFAEの発生機序に関する新しい知見/CAFの発生機序に関する論争/心房細動カテーテルアブレーションの現状と展望 2.心房細動カテーテルアブレーションに必要な解剖学 井川 修 左・右肺静脈と左房の位置関係/左房構造(注)左房の領域分類について/右房,上大静脈および下大静脈構造 3.心房細動の発生メカニズムー電気生理・遺伝子・リモデリングー 古川哲史 心房細動のトリガー機構−肺静脈心筋袖の異常興奮/心房細動の維持機構−リモデリング/心房細動発生の遺伝的背景/ 4-①.心房細動カテーテルアブレーションの適応:学会のガイドライン 奥村 謙 心房細動治療ガイドラインの基本的考え方/AFに対するカテーテルアブレーションの適応 4-②.心房細動カテーテルアブレーションの適応:慢性心房細動の患者選択,セレクション 蜂谷 仁 ガイドラインにおけるカテーテルアブレーションの適応,有効性/sequential bi-atrial linear defragmentation approach in Tsuchiuraによる研究結果/srepwise ablationによる研究結果/慢性心房細動に対するアブレーション術前の抗不整脈薬効果/まとめ Ⅱ.心房細動カテーテルアブレーション術前術中管理 1. 抗凝固療法 木村雄弘,髙月誠司 術前管理/術中管理/術後管理/新しい抗凝固療法の選択肢/直接トロンビン阻害薬(ダビガトラン)/直接Xa阻害薬/どの薬剤を選択するか/選択肢の多様化 2. 画像診断:経食道心エコーおよび心臓CT 加藤律史 心房細動アブレーションに必要な画像診断/心エコー/CT,MRI 3. 術中麻酔管理 宮内靖史 鎮静・麻酔の種類と定義/アブレーション中の鎮静の現状/鎮静に用いる薬剤/安全に鎮静を行うために必要な物品・設備と監視体制/今後の展望 Ⅲ. 心房細動カテーテルアブレーション手技オール図解 1.Brockenbrough法 浅野 拓,小林洋一 Brockenbrough法(経心房中隔穿刺法)とは/手技の準備/Brockenbrough法の実際/基本に忠実に,熟練を目指す 肺静脈隔離術 2-①.anatomical approach 里見和浩 肺静脈隔離術とは/解剖学的焼灼線の決め方/効果的な焼灼を得るために/far field potentialの読み方/三次元マッピングを行うにあたって 2-②.電位指標アプローチ 伊達太郎 肺静脈と心房細動/電位指標アプローチによる肺静脈隔離術の実際/より正確な肺静脈隔離のために 2-③.EEPVI(extensive encircling pulmonary vein isolation) 高橋 淳 EEPVI(同側拡大肺静脈隔離術とは)/拡大肺静脈隔離術の前処置/左房および肺静脈造影/洞調律下,低容量イソプロテレノール投与下の拡大肺静脈隔離術/double LASSOテクニック/EEPVI焼灼中の残存伝導部位の同定/持続性および長期持続性心房細動に対するEEPVIの有効性/EEPVIの汎用性 2-④.Box isolation 熊谷浩一郎 Box isolationの利点/Box isolationの実際/持続性/長期持続性心房細動に対するアプローチ/Box isolationの成績 細胞基質のアブレーション 3-①.CFAEアブレーション 桶谷直也 CFAEアブレーションとは/CFAE電位/CFAEアブレーションの成績 3-②.心房内線状焼灼法 松尾征一郎 心房内線状焼灼法とは/天蓋部線状焼灼術(roof line ablation)/僧帽弁峡部線状焼灼(mitral isthmus line ablation) 3-③.GPアブレーション 山城荒平 心房細動に対する自律神経節アブレーションとは/GPPVIとは/GPPVIの実際/心房細動器質に対するGPアブレーションの効果/成績と合併症 3-④.stepwiseアブレーション 小松雄樹 stepwiseアブレーションとは/心房細動周期計測/stepwiseアブレーションの手順 3-⑤.DFアブレーション 熊谷浩司 DFアブレーションの概念/DFアブレーションの方法/DFアブレーションの成績/DFアブレーションの役割/DFアブレーションの利点 3-⑥.慢性AFアブレーションのエンドポイント 吉田健太郎,油井慶晃 持続性AFアブレーションのエンドポイント/アブレーションの手技/アブレーションの実際/AFアブレーションにおける課題 3-⑦. mitral isthmus ABLの電気生理学 宮崎晋介 mitral isthmusとは/conduction gapの探し方/伝導ブロックの確認で注意すべき点/mitral isthmus ABLへの評価 4.Non-PV fociアブレーション 井上耕一 Non-PV fociの頻度・起源/Non-PV fociに対するアブレーションの必要性/Non-PV fociのマッピング/起源別にみたNon-PV fociアブレーション方法/Non-PV fociアブレーションの症例/今後の展望 5.ATP法 山根禎一 ATP法とは/方法/ATP法による肺静脈再伝導のメカニズム/ATP法の効果に対する議論/治療成績向上を目指して 6.高用量イソプロテレノール投与法 桑原大志 高用量イソプロテレノール投与方法/高用量イソプロテレノール投与による臨床効果/高用量イソプロテレノール投与法による術後心房細動再発予測効果/持続性心房細動に対する高用量イソプロテレノール投与の意義 7.deflectable sheathの有用性 江里正弘 deflectable sheathとは/sheathの概要・外観/sheathの持ち方,操作法/deflectable sheathを用いてのAFアブレーションの実際/僧帽弁−左下肺静脈間峡部線状焼灼(mitral isthmus linear ablation)時/deflectable sheathを用いる場合の注意点/総括 8.SVC isolation 合屋雅彦 非肺静脈起源の心房細動の頻度/上大静脈起源心房細動に対するカテーテルアブレーション/心房細動アブレーションの有効性を高めるために 9.Marshal vein(PLSVC) 遠山英子,熊谷浩一郎 心房細動のtrigger/Marshall静脈/PLSVC Ⅳ. 心房細動カテーテルアブレーションと3-D mapping 1. CARTOSOUND 中村紘規,内藤滋人 CARTOMERGEを用いた心房細動アブレーション/CARTOSOUNDの原理/心房細動アブレーションにおけるCARTOSOUNDの使用/SOUND mergeの実際/良好なSOUND mergeを得るためのポイント/CARTOSOUNDの利点,今後の展望 2. EnSite velocity 土谷 健 EnSite velocityとは/velocityを使用するにあたっての注意点/心房細動アブレーションでのvelocityの使用の実際/ 3. EnSite Array 宮本康二,土谷 健 EnSite Arrayとは?/EnSite Arrayを用いた心房細動アブレーションの利点/EnSite Arrayを用いた心房細動アブレーションの問題点/今後の展望 CFAE-map 4-①.CARTOR 山城荒平 CARTO CAFE Moduleとは/CARTOR CAFE Module設定値/CARTO CAFE Map表示方式/CARTO CFAE Moduleの利点/CARTO CFAE Moduleの欠点/CARTO CFAE Moduleのピットフォール 4-②.Ensite 松尾征一郎 背景/マッピング方法/今後の展望 5. 3-D map-Merge法 奥村恭男 3-D map-Merge法/術前のCT画像の撮影法/CARTOMERGEの方法/surface registration法/fast anatomical mapping(FAM)によるMerge法/CARTOSOUNDによるMerge法/Merge画像の注意点/EnSite Fusionの方法/EnSite Fusionの特徴 Ⅴ. トラブルシューティング:合併症への対策 1.脳梗塞(無症候性脳梗塞を含む) 因田恭也 心房細動と脳梗塞との関係/発症頻度/原因/治療/予防/まとめ 2.心タンポナーデ,肺静脈狭窄 藤野紀之 心タンポナーデ(cardiac tamponade)/肺静脈狭窄(pulmonary vein stenosis) 3.食道関連合併症 佐藤大祐,全 栄和 食道関連合併症とは/食道神経障害/食道炎・食道潰瘍・左房−食道瘻(atrio-esophageal fistula)/予防法/食道関連合併症の対応策 4.横隔神経麻痺 静田 聡 横隔神経の解剖学的位置/横隔神経麻痺の頻度と予後/症例提示/横隔膜神経麻痺に対する対処方法 Ⅵ.心房細動カテーテルアブレーションの術後管理 1.術後抗凝固療法 山内康照 術直後の抗凝固療法/術後遠隔期の抗凝固療法/ 2.植込み型デバイスを用いたフォローアップ 横山泰廣,平尾見三 AFアブレーション後の評価/ペースメーカ,ICDによるAFの持続モニタリング/ILRによるAFの持続モニタリング/モニタリングの課題 3.術後ATの診断(心電図)と対処法 高橋良英 術後ATの分類/術後ATの発症機序/術後ATの好発部位/P波形とATの起源・機序/3Dナビゲーションシステムを用いたマッピング/エントレインメント・マッピング/アブレーション/心房細動アブレーション後の再発予防 4.再発予防法(ステロイドetc) 成瀬代士久,青沼和隆 心房細動アブレーション後の再発予防/術後ステロイド剤使用/閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)合併患者に対する持続的陽圧換気(CPAP)治療 5.ハイブリッド治療 有本貴範,夛田 浩 カテーテル治療と抗不整脈薬の現状/カテーテルアブレーション後の抗不整脈薬/カテーテルアブレーション後のupstream療法/新しい抗不整脈薬/ハイブリッド治療への期待 Ⅶ.心房細動カテーテルアブレーションの効果 1.心房細動アブレーションの効果:薬物との比較および長期成績 関口幸夫 カテーテル治療と薬物治療/抗不整脈薬との比較/ABL治療の長期成績/生命予後への影響 2.QOL,コストパフォーマンス 深水誠二 心房細動アブレーションとQOL/AFによるQOL障害/AF患者でのQOL評価方法/AFに対するカテーテルアブレーションのQOL改善効果/AF治療とコストパフォーマンス/AFに対する薬物療法のコスト/AFに対するカテーテルアブレーションのコスト/QOLとコストパフォーマンスに関する今後の課題 3.大規模研究からみる心房細動アブレーションの手技と効果 奥山裕司,増田正晴 PVI追加アブレーションの有効性/治療成績の意味するところ/線状アブレーション/complex fractionated atrial electrogram(CFAE)アブレーション/autonomic ganglionated plexus(GP)アブレーション/心房細動の機序−triggerとperpetuator−/今後の課題 4.心房細動カテーテルアブレーションの限界 野上昭彦 長期成績の限界/持続性AFに対する効果の限界/初回アブレーションの限界/抗凝固療法中止の限界/理想的なアブレーション方法の限界/合併症に関して/今後の展望 Ⅷ.最新動向 -new topics- ニューデバイス 1-①.Hot Balloon−高周波ホットバルーンカテーテルによる心房細動アブレーションの実際− 曽原 寛,山口善央,武田 寛,佐竹修太郎 肺静脈電気的隔離術の方法/高周波ホットバルーンカテーテルの特徴/通常のアブレーションカテーテルとホットバルーンカテーテルの温度分布の差/前庭部(antrum)ablationとballoon based box isolation/通常の高周波カテーテルアブレーションと高周波バルーンカテーテルアブレーションはどう違うのか?/合併症対策/今後の展望 1-②.Cryo Balloon 沖重 薫 冷凍凝固治療法の歴史/冷凍凝固バルーンカテーテルの構造/冷凍凝固用コンソール/冷凍凝固エネルギーによる肺静脈隔離術の実際/冷凍凝固バルーンの臨床成績/合併症/今後の展望 1-③.コンタクトフォース 横山勝章 高周波アブレーションにおけるコンタクトフォースの意義/コンタクトフォースセンサー付きカテーテル/今後の展望 1-④.イリゲーションカテーテル 吉賀康裕 イリゲーションカテーテルのメカニズム/イリゲーションカテーテルの開発/イリゲーションカテーテルを用いた心房細動アブレーション/イリゲーションカテーテルの利点と欠点/わが国で使用可能なイリゲーションカテーテル/イリゲーションカテーテルの使用に際して 1-⑤.遠隔アブレーション 江島浩一郎 Megneticナビゲーションシステム(Stereotaxis,米国),Roboticナビゲーションシステム(Hansen Medical,米国),今後の展望 1-⑥.ニューメソッド:心外膜アプローチ 副島京子 経皮的心外膜アブレーション/ハイブリッドアブレーション/今後の展望 2-①.心房細動アブレーションの周辺:成績に関与する因子(腎機能,性別,高血圧,CHADS2,etc) 徳田道史 エビデンスレベルが比較的高い再発予測因子/その他の有力な因子/今後の展望 2-②.心房細動アブレーションの周辺:心不全症例へのアブレーション 大塚崇之 心不全症例における心房細動アブレーションの分類/心不全症例における房室結節アブレーション+ペースメーカ植込み術/心不全に対する心房細動アブレーション/総合的な心臓治療
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