グリーンマテリアルとグリーンナノテクノロジーは、この15年以上にわたって広い関心を集めてきました。まず学術分野ではじまり、ここ数年は関連産業においても関心が集まっています。本ハンドブックは、材料科学・工学、複合材料、化学工学、生物工学、材料物理学を学ぶ学生や院生のためのレファレンスであり、高分子工業や林業などにおいてバイオナノ材料やバイオナノ複合材料、自己組織化ナノ構造、グリーン複合材料などを取り扱う研究者やエンジニア、コンサルタントにも有益な資料です。4巻セットからなる本書は、対象分野の予備知識から、最新の研究や産業活動の報告まで掲載しています。
・第1巻　バイオナノ材料：分離プロセス、特性評価および性質
・第2巻　バイオナノ複合材料：処理、特性評価および性質
・第3巻　自己組織化バイオナノ材料
・第4巻　バイオベース複合材料、その加工特性および工業的応用
第1巻は、セルロースの構造を解説し、異なる原料からのナノ材料の単離/分離プロセスや、ナノファイバーやナノ結晶の特性について説明します。
第2巻は、セルロースナノファイバーまたはナノ結晶ベースの様々なバイオナノ複合材料およびそれらの前処理/製造プロセスの詳細を解説します。また、様々な特性評価法や、力学特性のモデル化技法のほか、医療用途の観点から応用技術についても詳述します。
第3巻は、バイオナノ材料が液体や固体材料中で自己組織化する能力を論じます。例えば、超軽量バイオベースエアロゲル、バリア層に適した薄膜、自己検出ナノ材料、および水の浄化のための膜について議論します。
第4巻は、バイオベース炭素繊維、再生セルロース繊維と熱可塑性および熱硬化性ポリマー（例えばポリ乳酸、バイオベースポリオレフィン、多糖類ポリマー、天然ゴム、バイオベースポリウレタン、リグニンポリマー）などのグリーン複合材料について説明します。重要な複合材料加工技術をはじめ、工業的応用などを解説します。
　これら様々なグリーンの構造と特性の相関、ナノファイバーとナノ結晶の単離、精製工程、それぞれの特性、加工技術、工業規模へのスケールアップ、工業的応用を詳説する本書は、バイオナノ材料に関する知識を得るのに最適なレファレンスであり、本分野を専門とする方々の必携書です。