本ハンドブックは、骨組織の修復や再構築、再生といった臨床利用におけるバイオセラミックスやバイオ複合材料の開発に関する近年の動向についてまとめています。これらの材料を包括的に解説することで、科学と技術の基礎の、歯科・整形外科のインプラントの臨床利用との密接な関わりを知ることができます。バイオセラミックスやバイオ複合材料は、組織工学や埋め込み可能な医療デバイスを目指した材料開発において最も重要性の高い分野です。ほとんど全ての医療関係者がこの技術の進歩に恩恵を受けており、なかでも歯科・整形外科において顕著です。本書では、生体分子や構造に繋げたときに新しい機能を発揮するようなバイオナノ材料の利用について論じています。また、臨床用の医療デバイスを製造するのに必要となるバイオセラミックスやバイオ複合材料の加工技術についても解説されています。さらに、重要な項目として、新しいマトリックスの開発による組織再生が挙げられます。標的治療や個別化治療のデバイスを用いることで、薬の消費量や治療による負担を抑えることができるため、患者の利益や公共医療システムのコスト削減につながります。
バイオセラミックスとバイオ複合材料の開発と利用に関する最新のレファレンスである本書は、材料科学や材料工学、生体医用工学の分野をこれから学ぶ研究者、学生にとってもお薦めの資料です。