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文献資料集成大正新教育<第2期全7巻> 師範学校の新教育

橋本 美保  監修
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価格 \103,400(税込)         

発行年月 2016年09月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 2650p
ジャンル 和書
ISBN 9784284308007
商品コード 1019134931
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2016年11月1週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1019134931

内容

八大教育主張とその後の展開、そして実践記録、語り、回想、風刺漫画など。100校以上の公立、師範、私立校における個性あふれる試みの数々を、幅広く集成、復刻。今回の「第II期『師範学校の新教育』全7巻」は、師範学校における新教育の試みの代表例として、奈良、千葉、東京、広島、明石、長野を取り上げ、第7・8巻では、「合科学習」を主導した奈良女子附小主事の木下はじめ、池田、幾尾、清水、鶴居、池内ら現場の訓導たちの記録を積極的に収録。また第13巻には明石女子師範附小における及川と訓導らによる研究発表者会の報告も収録。復刻にあたって 橋本美保 大正新教育運動は、デモクラシーの潮流のなかで、当時の硬直した学校教育を批判する形で展開された。だが、この運動は単に学校制度の改革を目的としたものではなく、哲学、宗教、文学、芸術などにおける自由主義的な新思潮と深い関連を持ちながら、社会全体の意識改革をめざした人間性回復運動としての側面ももっていた。その実態については、個別の学校史や教授法改革の視点から多様な実践が紹介されてきたものの、その全体像はいまだ十分には説明されていない。 研究を困難にしているのは、大正新教育運動が制度の改変を果たせなかったという評価が定着しているためでもあるが、むしろ運動を担った主体が実践家であったことによる。そのほとんどは自らの思想や行動を体系的には語っていないため、彼らに影響を与えた理論家や雄弁な指導者の主張が注目されがちである。しかし、大正新教育は、特別な学校だけで行われていたのではない。実践に関わりを持つ多くの人々が、それぞれの状況のなかで、彼らなりの教育改造を試みていたのであり、そうした彼らの生き方にこそ、大正新教育運動の本質を見ることができよう。この『文献資料集成 大正新教育』には、当時「実際家」(あるいは「実際教育家」)と称して、実践改革を志向した人たちの真摯な取り組みを伝える資料が収録されている。実践記録とは呼べないような語りや回想、写真や風刺漫画など、これまで研究資料として用いられていないものも含まれている。この復刻を通じて、運動の輪郭や当時の雰囲気を知ることができ、全体を俯瞰しつつ個別事例の特徴を把握することができるだろう。様々な立場の「実際家」であった彼らは、それぞれが置かれた境遇のなかで、己が信じた価値をどのように具現化しようとしたのだろうか。そうした「実際家」それぞれが、課題解決の過程で紡いでいった言葉を読み解くことによって、私たちは大正新教育の思想に迫ることができるのではないだろうか。 現在、子どもたちには急激な社会変化のなかで生き抜く力が必要とされ、教師たちにはその力を伸ばすことが求められている。子どもたちを生活の主体、社会改革の主体として育てたいという願い、それは新教育期の「実際家」たちの想いや行動と重なっている。今回の復刻が大正新教育運動の捉え直しにつながり、歴史を俯瞰することによって、現在の教育課題の特質を把握する一助となることを願っている。

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