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万葉集の恋と語りの文芸史
大谷 歩
著
発行年月 |
2016年03月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
15p,265p,6p |
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大きさ |
22cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/文学/日本文学 |
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ISBN |
9784305707963 |
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商品コード |
1019979807 |
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NDC分類 |
911.125 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2016年04月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1019979807 |
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著者紹介
大谷 歩(著者):1986年宮城県生まれ。國學院大學大学院文学研究科文学専攻博士課程後期修了。博士(文学・國學院大學)。奈良県立万葉文化館研究員。共著に「古事記歌謡注釈」がある。
内容
日本人の恋の起源を解き明かす、〈古物語り〉から〈今物語り〉へのラブヒストリー。 東アジア文学圏では特殊な、「恋」という概念を文芸上に成立させた日本。その源流を求め、万葉以前より語り継がれた伝説〈古物語り〉から、近時の現実性をもった〈今物語り〉へと至る物語り形成の系譜を辿る。明かされる男女の恋の歴史。 【人はなぜ自らの心のうちを歌に詠み、他者と歌をとおして交わり、そしてそれを文字という方法で残そうとしたのか。その謎を解こうとする時の最良の素材が『万葉集』の恋の歌であり、最も難しいテーマであったと思う。『万葉集』の恋歌は、声のテキストの段階と文字のテキストの段階が複雑に入り交じり、一筋縄ではなかなかその正体を明かしてはくれない。作品はあくまでも人間が生み出した虚構の世界ではあるが、そこに人間の〈心〉を捉えようと努めなければ、作品を理解したといえるのだろうか。と同時に、本書では論証に多くの漢文文献や仏教経典を用いたが、それらは単なる語彙の出典にとどまらず、作品の形成に深く関与している状況が明らかになった。このことからすれば、出典論から作品論への展開が求められており、作品の〈心〉と出典がいかに呼応しているのかを解き明かすことが今後重要な課題となるであろう。本書が目指したのは、この意味からの作品論でもあった。】「おわりに」より