内容
『土佐日記』は紀行、『方丈記』は日記とみなされていた時代があった?! では、現在のようなジャンル概念はいつ、どのようにして築かれたのか。「日記」と「随筆」それぞれの概念の変遷を追うことで、現代の国語教育を通して、人びとのあいだに認識されているジャンル概念や価値観から離れ、作品を見通す新たな視座を提供する。【目次】序 章 なぜ、「日記」と「随筆」か 一 ジャンルは編みかえられる/二 随筆とエッセイ/三 古典評価の移り変わり第一章 古典における「日記」と紀行文 一 重層する「日記」の用法/二 様ざまな「日記」/三 中世紀行文のことなど第二章 前近代における「随筆」 一 中国の用法/二 日本の場合/三 日本の「随筆」考/四 池亭記・方丈記・徒然草/五 江戸時代の「随筆」第三章 「日記」「随筆」の近現代 一 古典評価史の検討/二 「日記」の変容/三 修養日記へ/四 随筆の拡散註あとがき主要人名・書名索引