司法権の法哲学的研究
内容
目次
第1章 井上茂『司法権の理論』に関する序論的考察──近世イギリス立憲主義における司法権確立過程の基盤に関する著者の思想史的解明を中心に[小谷野勝巳] はしがき 1 座談会と対談と追想記から 2 学問としての法哲学 3 近世イギリス立憲主義における司法権確立過程の基盤への〈法理論〉的接近 結びに代えて 第2章 法の二つの源流──ヨーロッパ大陸法の分かりづらさ[中村晃紀] はじめに 1 英米法におけるコモン・ローとスタテュート 2 古代ローマにおけるレークスとユース 3 ユスティ=アーヌス帝による法典編纂 4 近世ヨーロッパにおけるローマ法の継受 結び──分かりづらさの要因とその解決に向けて 第3章 井上茂の司法理論──裁判所は「疑法」批判に応答しなければならない[堅田研一] はじめに 1 『司法権の理論』における井上の司法権論──消去しえない「統治」と「個人の自由権」、その仲介としての司法権とその機能的独立 2 自然権論と下からの法秩序の形成 3 法と道徳 4 実生活から生じる社会秩序と法 5 「内奥の自己」と法 6 具体的事例 7 批判道徳と裁判所の応答責任 第4章 憲法および違憲審査の正統性と憲法解釈──アンドレイ・マーモーの議論を素材として[濱真一郎] はじめに 1 憲法および違憲審査の正統性 2 憲法をいかに解釈すべきか 3 現代法理論における司法をめぐる議論状況 おわりに 第5章 司法における感情──アメリカ憲法裁判とその理論を素材として[高橋秀治] はじめに 1 アメリカ憲法裁判における議論のあり方 2 議論における感情の位置 3 感情による価値実現のために むすびにかえて 第6章 司法と行政の区分に関する一考察──行政不服審査制度を手がかりに[伊藤 泰] はじめに 1 司法と行政の境界線 2 行政不服審査制度の均衡点 3 行政不服審査制度をめぐる司法と行政の利害 4 不服審査の対象 5 事実行為はなぜ含まれなかったのか むすびにかえて 第7章 日本の裁判官の自意識──戦時中から現在まで[亀本 洋] はじめに 1 戦時下の裁判官 2 日本法理 3 三宅正太郎の裁判道 4 迅速な裁判 5 初代最高裁判事ポストをめぐる仁義なき戦い 6 裁判官の良心 7 裁判官は普通以上に立派でなければならないのか 8 裁判官と出世 9 裁判官の二つのタイプ 10 裁判官の自意識過剰 第8章 統治行為論と司法権の機能──砂川事件最高裁判決を出発点として[布川玲子] はじめに 1 砂川事件最高裁判決に見る統治行為論──判決、上告趣意書、弁護側答弁書、直後の法学者の見解 2 「統治行為」の理論的位置づけ──外国の判例と日本への導入 3 統治行為論と人権──純司法的機能とは何か 4 統治行為論と国民の意思 5 まとめ 第9章 司法立法による免訴再審学説の後退と進展──刑訴法435条6号免訴再審の再構築[吉永満夫] 1 二つの司法立法 2 非常救済手続の概要 3 非常上告と免訴再審との交差 4 免訴再審学説の後退と進展 5 免訴再審の再構築
カート
カートに商品は入っていません。