内容
エー最大の業績である「器質・力動論(L'organo-dynamisme)」という壮大な精神医学理論大系の全貌が前巻に続いて展開されている。本書によって,ジャクソン,ジャネ,フロイト,ブロイラー,ミンコフスキを継承し,サルトルやメルロ-ポンティ,フッサールやハイデガーらの実存主義を経てビンスワンガーの現象学的精神病理学を昇華し,現代精神医学へと繋がる緻密な理論構造を辿ることができる。後半部には監訳者影山による精密な解題「アンリ・エーを読む」(500枚にわたる,難解であるエー理論を読み解くための,良質で明快な入門編)を付与した。