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交換・権力・文化~ひとつの日本中世社会論~

桜井 英治  著

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価格 \5,720(税込)         

発行年月 2017年06月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 303p,5p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/社会科学/経済学/各国の経済事情・経済史
ISBN 9784622086116
商品コード 1024635381
NDC分類 332.104
基本件名 日本-経済-歴史
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2017年07月3週
書評掲載誌 毎日新聞 2017/07/23、読売新聞 2017/08/20
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1024635381

著者紹介

桜井 英治(著者):1961年茨城県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。同大学大学院総合文化研究科教授。博士(文学)。「贈与の歴史学」で第10回角川財団学芸賞受賞。

内容

中世日本は贈与社会が行き着くべきひとつの極限段階を示していた。日本史上最も贈答儀礼が肥大化したこの時代、贈与経済と市場経済は対立的でなくきわめて親和的な関係を築いていた。『贈与の歴史学』(中公新書)で角川財団学芸賞を受けた俊英による鮮やかな日本中世社会論である。貨幣そのものを人に贈るという習慣も室町時代にはじまるが、贈答額を記した目録が事実上の約束手形に転化し、後日決済や相殺、流用、催促や取引もおこなわれる特異な「折紙銭」が、著者の贈与研究のきっかけであった。計算・打算・信用といった市場経済的な観念がその対極にあるとみられがちな贈与の世界にも浸透した、まさに「成熟した儀礼社会」の様相である。「与える権力」から「受け取る権力」へ変質した室町幕府の贈与依存型財政。東山御物の形成や日明貿易にもかかわる贈答品市場。身分制社会すなわち非ポトラッチ社会の宴会と権力。自国通貨を鋳造しなかった中世から近世への移行期にかけて価値の生滅をくりかえした銭貨のダイナミズム。季節・地域間の物価変動のメカニズムを知悉していた消費者行動、その一方で贈与名目で支払われる硬直的な賃金と労働観の問題。借書の流通や折紙の譲渡を可能にした根本原理としての債権の譲渡性は、極端に高まって贈与すら非人格化したが、16世紀に一転して鈍るのはなぜか。モース、ブローデル、ポランニーをも視野に収め、日本中世社会の特質と変容を論じ、じつにドライで合理的な中世人の精神にまで迫る。

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