内容
WHOと米国NHLBIの協力により作成されているGlobal Initiative for Asthma(GINA)の国際的な喘息ガイドライン2015年版の日本語版が刊行された。GINAのガイドラインは1995年に初版が発刊され、大きく改訂された2002年と2006年に日本語版が刊行されているが、本書は2006年以来10年間の進化を伝える時期にあたるとして作成された。GINAガイドラインはEBMに基づき最善と考えられる予防と治療に関する提言であり、喘息がもたらす人類の負担軽減を目指している。今回の改訂で最も目を引くのは、新しい表とチャートによる使いやすさへの配慮と動的な喘息治療のPDCAサイクルに準じた表現である。また、喘息とCOPDのオーバーラップをACOSとして表現し、喘息とCOPDがオーバーラップする状態の認知度を高め、適切な診断と治療の今後の展開に寄与すると考えられる。