著者紹介

内容

目次

<b>序　論――本書の分析視角</b> 　　一　本書の概要 　　二　戦後法制改革――戦前・戦後の「断絶」と比較法的自覚 　　三　占領管理体制――日本占領の軍事的側面と憲法秩序 　　四　本書の構成 　<b>第一部　戦後法制改革の過程――刑事司法を中心に</b> <b>第一章　戦後法制改革研究の現況</b> 　　一　序 　　二　日本占領の法的構造 　　（一） 「占領管理」の実際 　　（二） 「管理法令」の性質 　　三　戦後法制改革研究の現況 　　（一） 日本国憲法の制定過程――史料状況の紹介を兼ねて 　　（二） 臨時法制調査会と民政局――主要法令の改正 　　（三） 「戦後改革」と法制改革 　　四　結びに代えて <b>第二章　ＧＨＱの司法制度改革構想 </b> 　<b>第一節　ＧＨＱの司法制度改革構想から見た占領期法継受</b> 　<b>──戦後日本法史におけるアメリカ法の影響に関連して</b> 　　一　序 　　二　占領初期における司法制度改革構想の諸相 　　（一） 日本側の司法制度改革構想 　　（二） GHQの司法制度改革構想――民間諜報局と民政局 　　三　占領期司法制度改革の方向性の確定 　　（一） GHQの司法制度改革構想の確定経過 　　（二） マニスカルコ提案排斥の要因 　　四　結びに代えて 　<b>第二節　裁判所法の制定と国民の司法参加</b> 　<b>──占領期法継受における陪審制度復活論</b> 　　一　序 　　二　占領初期における国民の司法参加構想 　　（一） 陪審法の運用と占領初期における日本側の議論 　　（二） 占領初期におけるGHQ側の議論 　　三　占領期司法制度改革の経過と陪審法の行方 　　（一） 占領期司法制度改革の方向性の確定と国民の司法参加 　　（二） 裁判所法の制定と陪審制度 　　四　結びに代えて <b>第三章　戦後刑事司法の形成</b> 　<b>第一節　検察庁法の制定と検察審査会制度</b> 　　一　序 　　二　日本国憲法施行に至るまでの刑事司法制度改革 　　（一） マッカーサー草案とマニスカルコ提案 　　（二） 裁判所法及び検察庁法の制定 　　三　検察審査会法の制定 　　（一） 司法省の改組と「検察の民主的コントロール」 　　（二） 検察審査会法の制定 　　四　結びに代えて 　<b>補　論　検察補佐官から検察事務官へ</b> 　　一　序 　　二　検事直属の司法警察官設置構想 　　三　昭和二一年勅令第六〇〇号をめぐって 　　四　結びに代えて 　<b>第二節　刑事訴訟法の制定と運用――検察官・警察官の関係を中心に</b> 　　一　序 　　二　警察改革と検察制度 　　（一） 警察改革と地方分権 　　（二） 警察法の制定 　　三　現行刑事訴訟法の成立 　　（一） 警察法の制定と刑事訴訟法改正作業 　　（二） 刑事訴訟法最終案の確定 　　四　結びに代えて <b>第四章　ＧＨＱの法律家たち</b> 　<b>第一節　「亡命ドイツ法律家」アルフレッド・Ｃ・オプラー</b> 　<b>――異文化接触としての戦後法制改革</b> 　　一　序 　　二　オプラーの来日に至る経緯 　　（一） ドイツからアメリカへ 　　（二） 「亡命ドイツ法律家」として 　　三　戦後法制改革と比較法 　　（一） 大陸法と英米法 　　（二） 西洋法と「極東法」 　　四　結びに代えて――再びアメリカへ 　<b>第二節　トーマス・Ｌ・ブレークモアと日本法</b> 　<b>――東京帝国大学の学生として、ＧＨＱの法律スタッフとして</b> 　　一　序 　　二　東京帝国大学の学生として 　　三　ＧＨＱの法律スタッフとして 　　四　結びに代えて 　<b>第二部　占領管理体制と憲法秩序</b> <b>第五章　占領管理体制の法的特質</b> 　　一　序 　　二　ポツダム緊急勅令と戦時緊急措置法 　　（一） ポツダム命令と憲法秩序 　　（二） 「憲法的変革」と委任立法の位相 　　三　軍事占領裁判所の裁判管轄 　　（一） 司法の「直接管理」 　　（二） 「連合国人」と「解放国民」 　　四　結びに代えて <b>第六章　憲法秩序の変動と占領管理体制</b> 　<b>第一節　新憲法下の国会と「政令の濫用」</b> 　　一　序 　　二　法律第七二号の制定過程 　　（一） 旧憲法下の法令の効力をめぐって 　　（二） 新憲法下の国会とポツダム命令 　　三　法律第七二号第二条の改正問題 　　（一） 「政令の濫用」とポツダム命令 　　（二） 民政局の法律第七二号第二条改正提案 　　四　結びに代えて 　<b>第二節　占領管理体制とポツダム命令</b> 　　一　序 　　二　日本国憲法の施行とポツダム命令 　　（一） 法律第七二号改正をめぐる民政局内の意見の相違 　　（二） ポツダム命令と「新憲法違反の疑い」 　　三　法律第七二号第一条の改正問題 　　（一） 法律第二四四号の制定 　　（二） 改革の終わりと民政局の縮小 　　四　結びに代えて <b>第七章　「占領目的に有害な行為」の創出と運用</b> 　<b>第一節　占領下における刑事裁判権の制限</b> 　　一　序 　　二　軍政局・民政局における軍事占領裁判所構想 　　（一） 司法の「直接管理」の準備 　　（二） 民政局における軍事占領裁判所構想とGHQ／SCAPの管轄問 　　　題 　　三　法務局における軍事占領裁判所構想 　　（一） 法務局の軍事占領裁判所設置提案 　　（二） 占領下の刑事裁判権の制限の実施 　　四　結びに代えて 　<b>第二節　「占領目的に有害な行為」と検察官の起訴猶予裁量権</b> 　　一　序 　　二　勅令第三一一号の成立過程 　　（一） 指令等違反行為の取締りの必要性 　　（二） 勅令第三一一号の制定 　　三　「占領目的に有害な行為」と起訴法定主義の「運用」 　　（一） 勅令第三一一号の運用をめぐる折衝 　　（二） 検察官の起訴猶予裁量権をめぐる法務局と民政局の対立 　　四　結びに代えて 　<b>第三節　「占領目的に有害な行為」に関する検察官の起訴猶予裁量の運</b> 　<b>用</b> 　　一　序 　　二　政令第一六五号の制定 　　（一） 連合国占領軍財産等収受所持行為の管轄をめぐって 　　（二） 勅令第三一一号の改正をめぐって 　　三　勅令第三一一号及び政令第一六五号の運用 　　（一） 新憲法下での連合国占領軍財産等収受所持行為の取締り 　　（二） 連合国占領軍財産等収受所持行為と検察官の起訴猶予裁量権 　　四　結びに代えて <b>結　論――戦後法制改革と占領管理体制の交錯</b> 　　一　戦後法制改革――アメリカ法継受をめぐる「クロス・ナショナ 　　ル」 　　二　占領管理体制――「最高法規」の限界ともう一つの「クロス・ナ 　　ショナル」 　　三　交錯の位相――占領下の「法」と権力 　　四　課題と展望 　あとがき 　人名索引 　事項索引