日本語訳英琉辞書
B・J・ベッテルハイム 著
著者紹介
内容
目次
1. アルファベットで書かれているので、音価がわかりやすい。さらに補助符号を使って精密に記録しているので、当時の音韻を調べるのに非常に役立つ。 (a)本土方言のネとニに対応する音を、おのおの ni, nyi で書き分けている。この区別が明治時代まで有ったことを、伊波普猷は「琉球語の母音組織と口蓋化の法則」などで述べているが、他の人、例えばチェンバレンの著書などでは区別しておらず、今までは不確実であった。 (b)1883年生まれの比嘉春潮も失いかけていた zi と z,i の区別を、19世紀前半では正確に区別していたことが分かる。すなわち、本土方言のズ・ヅ(ゼ)を dzi(zi) で表記し、ジ・ヂ(ギ)に対応する語を dji で表記し、両者を正確に書き分けている。 2. 明治以降に本土から移入された語かどうか判定する資料になる。総体としては、今まで漢語に由来する方言の多くは、明治以降に沖縄に移入された語のように思われていたが、そうではなく、相当多くの漢語を当時の知識人は持っていたことがわかる。 3. 知識人の間では、明治以前にも、多くの和語が移入されていたことがわかる。
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