本書が管理者、リーダー、実務者に提供するのは、パフォーマンス管理といくつかの変数とを関連づけたダイナミックな枠組みであり、この枠組みは世界中の組織や業界において応用できる。実証的根拠と経験に基づく本書を読めば、PMP（performance management process）の計画と実行が、組織文化と相互に関係していることがよくわかる。

この枠組みの要素は、マクロレベルの視点から迫り、PMPを適用した成功事例研究に基づく簡潔さとリアリズムとのバランスが取れており、あらゆるレベルのリーダーや管理者にとって、教育、トレーニング、開発リソースツールとして価値ある一冊となっている。

組織におけるパフォーマンスというテーマは、天気同様、誰もが話したがるテーマではあるが、実際には何が起こっているのか、なぜ起こっているのかを把握している者は少ない。パフォーマンスレベルに焦点を当てれば、個人も組織も違いはない（個人、チーム、ユニット、あるいは組織全体）。

チームや組織がパフォーマンスの改善だけでなく、優れたパフォーマンスの維持・活用の機会をしばしば逃している。組織のパフォーマンス、文化、成功は相互に関連しており、互いに強化し合う必要がある。組織内の複数レベルで、有効なPMPが実行され、機能し、成功することでこの相互強化が達成される。

パターン化され、かつ複数のバリエーションのある評価要素を組織や機関が明らかにすることで、パフォーマンス管理の成功が可能となり、その成功に本書は役立つだろう。ただちに活用・応用できる実践的な参考書としての特徴を有する本書は、管理、リーダーシップ、組織文化に携わるリーダー、管理者、学者、学生、政策立案者にとって有用な一冊である。