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なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか~すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる~
ロバート・キーガン,
リサ・ラスコウ・レイヒー
著
池村千秋
翻訳
中土井 僚
監修
発行年月 |
2017年08月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
397p |
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大きさ |
22cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/経営学/経営組織 |
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ISBN |
9784862762207 |
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商品コード |
1025291696 |
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NDC分類 |
336.3 |
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本の性格 |
実務向け |
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新刊案内掲載月 |
2017年09月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1025291696 |
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著者紹介
ロバート・キーガン(著者):リーダーシップ学習の専門サービス会社「マインズ・アット・ワーク」の共同創設者。ロバート・キーガンとリサ・レイヒーは、30年にわたって一緒に研究と実践に取り組んできた。二人の共著に、『なぜ人と組織は変われないのか』(英治出版)、『あの人はなぜウンと言わないのか』(朝日選書)がある。キーガンは、ハーバード大学教育学大学院教授(成人学習・職業発達論)。
リサ・ラスコウ・レイヒー(著者):リーダーシップ学習の専門サービス会社「マインズ・アット・ワーク」の共同創設者。ロバート・キーガンと30年にわたって一緒に研究と実践に取り組んできた。ハーバード大学大学院教員
池村千秋(翻訳):翻訳者。主な訳書に、キーガンとレイヒーの前著『なぜ人と組織は変われないのか』(英治出版)、『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社)、『マネジャーの実像』(日経BP社)などがある。
中土井 僚(監修):オーセンティックワークス株式会社代表取締役。広島県呉市出身。同志社大学法学部政治学科卒。リーダーシップ・プロデューサー。「自分らしさとリーダーシップの統合と、共創造(コ・クリエイション)の実現」をテーマに、マインドセット変革に主眼を置いたリーダーシップ開発及び組織開発支援を行う。コーチング、グループファシリテーション、ワークショップリードなどの個人・チーム・組織の変容の手法を組み合わせ、経営者の意思決定支援、経営チームの一枚岩化、理念浸透、部門間対立の解消、新規事業の立ち上げなど人と組織にまつわる多種多様なテーマを手掛ける。過去携わったプロジェクトは食品メーカーの理念再構築、業績低迷と風土悪化の悪循環が続いていた化粧品メーカーのV字回復や、製造と販売が対立していた衣類メーカーの納期短縮など100社以上に及ぶ。アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)とその他2社を経て独立。2005年よりマサチューセッツ工科大学上級講師であるオットー・シャーマー博士の提唱するU理論の日本における啓蒙と実践にも携わり、現在に至る。
内容
ほとんどのビジネスパーソンが取り組む、お金にならない「もう一つの仕事」とは――。
あなたは仕事のなかでこんな経験をしたことがありませんか?
・「自分をよく見せよう」「評価を下げたくない」と思うあまり、失敗や弱点を隠してしまう。
・組織の問題を感じても、上下関係や肩書が気になって指摘できず、本質的な問題解決ができない。
30年以上にわたって「大人の発達と成長」を研究してきた著者は、このように弱さを隠してしまう「もう一つの仕事」が現代の組織に蔓延しており、それに膨大なエネルギーが費やされていると述べています。
それでは、このエネルギーをまったく逆の方向に転換させたらどうなるでしょうか?
・誰もが自分を取り繕う必要がなく、「本来の自分」で職場に来ることができる。
・全員が全員の「弱点」「限界」を知っており、それを克服するための支援を惜しまない。
・経営者から現場のアルバイトまで、率直なフィードバックを言い合える文化がある。
・自分にとって本当に大切な課題に打ち込むことができ、それが会社としてのビジネスの課題に沿っている。
「こんな組織をつくるのはきわめて難しい」と感じるかもしれません。本書では、以下の3社が先進事例として取り上げられ、どれも業種や規模にかかわらず、上記のような組織文化を維持しつつ、大きな成功を収めています。
ブリッジウォーター:世界最大のヘッジファンド。長年驚異的な投資成績をあげ、リーマンショックを予期して危機を回避したことで話題になった。
デキュリオン:ハリウッドでトップクラスの人気を誇る映画館アークライト・シネマズグループを経営するほか、大手不動産開発などを手掛ける。
ネクスト・ジャンプ:Fortune1000企業の70%が利用する、従業員向けの割引特典つきECサイトを運営。また、自社の組織文化の構築ノウハウを伝える人材育成プログラムも行っている。
誰もが本来の自分になることができ、弱点を認め合えるというのは、単に「人に優しい組織」であることを意味しません。むしろ、弱点の克服を目指しているからこそ、忌憚のない、ときには厳しいフィードバックがなされることがあります。「痛み」を伴ってでも成長するという強い欲求が必要なのです。
つまり、「うまくいっていた自分/やり方」を捨て、限界を克服してバージョンアップする組織こそが、現代のビジネス環境を勝ち抜いていけると著者は説きます。本書では、そのような「人と組織のバージョンアップ」を可能にする組織を「発達指向型組織(DDO= Deliberately Developmental Organization)」と定義し、そうなるためにはどうすればいいのかの道筋が示されます。
「本来の自分」を取り戻し、成長の実感を得ながら生き生きと働ける職場で働きたいビジネスパーソンへのヒントが詰まった一冊です。