アジアは世界最大の大きさと最多の人口を誇るだけでなく、民族的　文化的な多様性が反映された2300に及ぶ話し言葉の発祥地でもあります。アジアの膨大な人々は中国語、ヒンディー語、ウルドゥー語、アラビア語、ロシア語、日本語、韓国語、トルコ語、ペルシア語のような広く知られた言語を話すだけではなく、ブルシャスキー語、チュクチ語、モン語、ケット語、セメライ語、ツェズ族のような小規模の言語共同体による無数の言語も話されています。アジアはまた、シュメール語やアッカド語、サンスクリット語、上古音のような無数の言語で書かれた原文が示すように、数千年前の言語についての独特な視点も見せます。
世界の言語の約3分の1がアジアで話されています。本ハンドブックはこの巨大な大陸の言語に反映されている構造的豊かさに関する概観を提示することを目的としています。本書は、語族に関する14章、系図の関連性を無視した地理による分類（白人、古シベリア人）に関する2章、接触言語に関する章（ピジン・クレオール語）、孤立した言語に関する章において典型例の解説をしています。各章が語族の系図構造やそれに関連する言語研究から始められており、現存する言語及び絶滅した言語から選ばれた各言語の説明が含まれます。構造の多様性に関する最適なカバレッジのため、本ハンドブックはアジアの主要言語だけではなく、小規模なコミュニティによる話し言葉も取り扱っています。各言語の通時的な発展と大規模コミュニティによって話される言語間の類似するバリエーションに関するセクションが追加されています。
本ハンドブックはアジア言語の構造と歴史に従事する学生と学者にとって詳細な資料となります。