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母親の孤独から回復する~虐待のグループワーク実践に学ぶ~(講談社選書メチエ 662)
村上 靖彦
著
発行年月 |
2017年11月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
141p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/社会保障・社会福祉・社会政策
/社会保障・社会福祉・社会政策 |
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ISBN |
9784062586658 |
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商品コード |
1025580973 |
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NDC分類 |
369.4 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2017年12月4週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1025580973 |
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著者紹介
村上 靖彦(著者):1970年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)。現在、大阪大学人間科学研究科教授。専門は、現象学、現象学的な質的研究。
主な著書に、『自閉症の現象学』(勁草書房)、『治癒の現象学』(講談社選書メチエ)、『傷と再生の現象学』(青土社)、『レヴィナス』(河出ブックス)、『摘便とお花見』(医学書院)、『仙人と妄想デートする』(人文書院)ほか。主な訳書に、ブルース・フィンク『後期ラカン入門』(監訳、人文書院)ほか。
内容
増加の一途をたどる子どもへの「虐待」。気づいたら子どもを叩いてしまう、叩いてしまう自分を抑えられない……。そんな母親は、自分も子どもの頃に母親から叩かれたことに気づけず、不安と孤独の中にいる。「MY TREE ペアレンツ・プログラム」での実例を紹介しながら、「独り」から始めて自分を取り戻すための道を探っていく本書は、人知れず苦しんでいる母親たちにヒントを贈りたい、という思いとともに書かれた。
子どもに対する「虐待」についての児童相談所への相談件数は、現在10万件を越えています。1万件を越えたのが1999年のことですから、急激な増加を見せていることに疑いはありません。相談されず、表に出てこないケースを含めれば、その数はさらに増えることでしょう。
子どもを叩いてしまう母親は、なぜ増えているのでしょうか?
なぜ彼女たちは、子どもを叩いてしまうのでしょうか?
気づいたら叩いてしまう。叩いてしまう自分を抑えられない……。中には、エスカレートして、子どもを死に至らしめてしまう場合すら起きています。
そんな母親には、自分自身が子どもだった頃に母親に叩かれた恐怖、そこから生まれた孤立感があることがめずらしくありません。そのことに気づかぬまま、気づいたら自分も子どもを叩くようになってしまっているのです。
──本書は、そんな孤独の中で苦しんでいる母親たちのために書かれました。
2001年に森田ゆり氏の考案で開始された「MY TREE ペアレンツ・プログラム」のグループワーク実践を例にとり、「子どもを虐待してしまう親の回復のためのプログラム」がどのように働き、どのような成果をもたらしているのかを描き、どうすれば孤独から回復できるのかを探ります。このようなプログラムに関心をもてない人、関心を抱いても参加する勇気がない人にとっても、ここには貴重なヒントがたくさん含まれているはずです。
「虐待」の連鎖を止め、自分を取り戻す道は、「独り」から始まります。
「独り」でいるあなたに、本書は語りかけたいと思っています。
【主な内容】
はじめに 独りから始まる──虐待とその背景
第1章 虐待渦中にある親の背景と回復への道のり
第2章 環境づくりと体のまとまり──回復のための空間
第3章 自分とのつながりと子どもとのつながりを作るワーク
第4章 声の響き合い──自分を語ること
第5章 プログラムを終えて──つながりの記憶
結 論 独りから始まるつながりと回復