エッジを歩く~手紙による差別論~
三浦 耕吉郎 著
内容
目次
第1部 フィールドの日常/私の日常 第1の手紙 生活の深みへ ~聞き取り現場でのささいな出来事から、生活に沈潜していた被差別経験の突然の噴出が私たちにもたらす衝撃~ 第2の手紙 こんなきっかけからでも ~部落に興味をもった学生の好奇心にゆれる心の彷徨~ 第3の手紙 穢れとつきあう ~穢れの観念を否定しようとしない部落の人びとの柔軟な生~ 第4の手紙 こっけいだった私 ~その気もないのに差別させられる、現代社会における構造的差別~ 第5の手紙 処世の知恵 ~結婚に際して、親の差別意識との正面からの衝突を回避しつつ折り合いをつけていく処世の術~ 第2部 ディスコミュニケーションのただなかへ 第1の手紙 差別ってなんだろう ~差別する側とされる側に横たわるディスコミュニケーションとは~ 第2の手紙 人と人を結ぶ太鼓 ~太鼓の胴をのぞいてみると、そこには歴代の太鼓師の名が…~ 第3の手紙 どうしてうちの在所だけ調べるん? ~調査を断られるという得難い体験~ 第4の手紙 屠場にて ~屠場でカメラをむけたときの屠夫長さんの怒りと、いまだに続く屠場差別の構造~ 第5の手紙 差別者の憂鬱とともに ~思いがけず差別をしてしまった者の戸惑いと倫理とは~ 第3部 エッジを歩く 第1の手紙 私の手になれますか? ~重度の身体障害者によるラディカルな問い掛けがもつ射程の広がり~ 第2の手紙 ねたみ意識というけれど ~同和対策事業が地域社会になげかけた波紋を、ある差別発言から考える~ 第3の手紙 死者へあてた手紙 ~部落解放運動をになったある在日朝鮮人の人生の軌跡~ 第4の手紙 アイデンティティ以前 ~部落に嫁いだものの、住居が部落外にあることから生ずる「新しい部落問題」~ 第5の手紙 あらたな始まりにむかって ~心理的差別と実態的差別という従来の枠組みを、関係的差別という視点から問い直し、「差別する者」「差別される者」「差別しない者」といった類型化に代えて、「差別する者であると同時にされる者」としての生の倫理のありかを模索する~ 第4部 手紙、その後 第1章 親の戸惑い/子の戸惑い―特措法後の教育的課題― ~同和対策事業に関する特別措置法が2002年に失効して以降、部落差別や部落問題について、親や教師から直接的に教えられて来なかった世代が増えているという現実がかかえる新たな問題とは……~ 第2章 〈ポスト同対法体制〉の構想に向けて ~「部落」や「部落民」を関係的カテゴリーと捉える、差別現象への関係論的アプローチを提唱~
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