藤森照信（著者）：建築家、建築史家。東京大学名誉教授。1946年、長野県に生まれる。東北大学建築学科卒業後、東京大学大学院博士課程修了。東京大学教授、工学院大学教授を経て、現在は、工学院大学特任教授、江戸東京博物館館長。建築史、建築設計、路上観察を縦横にめぐりながら、どこか懐かしくも新しい、世界でもまったく類を見ない独自の世界観を提示し続けてきた。
近作《多治見市モザイクタイルミュージアム》、《草屋根》《銅屋根》（近江八幡市）のほか史料館・美術館・学校・住宅・茶室など建築作品多数。近著に『近代日本の洋風建築　開化篇』、『近代日本の洋風建築　栄華篇』、『磯崎新と藤森照信の「にわ」建築談義』（共著）ほか、著書多数。
たねやグループ（著者）：1872年、滋賀県蒲生郡八幡町池田町の地で和菓子舗を創業。戦前、地元に数々の名建築を遺したウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏との親しい交流がきっかけとなり1951年には洋菓子部門が誕生。近江八幡の店舗からはじまり滋賀県内各地に展開、1984年東京・日本橋三越に出店。全国に47店舗を有する。現在、十代当主山本昌仁が四代目たねや社長を、山本隆夫が三代目クラブハリエ社長・グランシェフを務める。
北田英治（イラスト）：写真家。1950年生まれ。東京写真短期大学（現・東京工芸大学）卒業、写真事務所勤務後、建築雑誌等での撮影ほか、東アジアの都市やタイ北部に暮らす山岳移動民族等「人の暮らしの場所」を取材。他の活動に「北田英治の写真講座」「ぐるぐるつくる大学セミナー・ハウス ワークキャンプ」「甲馬サロン」などがある。写真集に『サレジオ』、『ベーハ小屋』、共著には『ル・コルビュジエのインド』（アイシオール賞受賞）、『別冊太陽 石見銀山』、『空間に恋して LOVE WITH LOCUS 象設計集団のいろはカルタ』、『DISCONT：不連続統一体』、『吉阪隆正の方法』など。写真展に『精霊の杜―アカ族のいとなみ』、『ル・コルビュジエのインド』他多数。

琵琶湖のほとりに出現した大きな草屋根。近江八幡の地で145年にわたり菓子舗を営む〈たねや〉グループの新しい拠点であり、藤森照信さんの最新作にして集大成〈ラ コリーナ近江八幡〉を一年にわたって撮影し、自然素材が生みだす豊かな表情とディテール、そこに集う人々の一年のいとなみをあますところなく収録した写真集。