著者紹介

内容

目次

はじめに 第1章　女性の異性装をめぐって 第1節　たけの最初の罪 竹次郎事たけ／『藤岡屋日記』と須藤由蔵／たけの生い立ち／“男が子どもを産んだ”／男装と盗み―天保三年の事件のあらまし／たけの罪状と処罰／蕎麦屋忠蔵と煮売り商とめの処罰 第2節　たけ、再登場 天保八年の事件のあらまし／たけの判決内容／「人倫を乱し候もの」からみえる女性の歴史的位置／これまでのたけの評価と私見 第3節　近世ヨーロッパとの比較 マリア・ファン・アントウェルペンとの出会い／マリアの証言から／たけとマリアの罪状の相違と共通性 第2章　男性の異性装と男色の歴史的位相 第1節　青山千駄ヶ谷、お琴の一件 高利貸のお琴／もう一つの情報 第2節　歌舞伎と男色 出雲のお国の歌舞伎踊り／女歌舞伎から若衆歌舞伎、そして野郎歌舞伎へ／陰間茶屋の様相／京・大坂の若衆屋／男色と女色の対決 第3節　江戸の男色をめぐる諸規制 天保の改革と陰間茶屋の衰退／僧侶をめぐる諸規制／江戸時代は男色に寛容だったのか／男色をめぐる事件 第4節　男性の「女装」 違式詿違条例／風俗・男女の性に関する条目／異性装の禁止と羽織芸者／美しい男たち 第3章　男性カップルたち 第1節　鳶職金五郎と女髪結はつのケース 女髪結の登場／女髪結の処罰規定／実は男だった女髪結 第2節　縫箔職重吉と新内師匠小若のケース 縫箔職人の妻、小若ことわか／わかの容貌と暮らしぶり／女師匠、男弟子をとることの禁 第4章　多様な愛のかたち―レズビアン／シスター 第1節　女性同性愛をめぐる動向 社会学における女性同性愛（レズビアン）研究／近代における女同士の心中 第2節　江戸の女性同性愛 異性装女性、芸者と出奔／江戸の心中＝相対死とその処罰／仲良し娘（とし・なを）の入水事件／湯屋と居酒屋の娘同士の入水事件 第3節　入水事件から愛のかたちを問う 三人娘の入水事件／事件のあらまし／事件後の風聞から まとめにかえて