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現代社会における聖と俗~デュルケム・9.11テロ・生駒・在日コリアン~

飯田 剛史  著

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価格 \5,060(税込)         

発行年月 2018年02月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 346p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/宗教/宗教哲学・宗教社会学
ISBN 9784336062024
商品コード 1026912440
NDC分類 161.3
基本件名 宗教社会学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2018年04月1週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1026912440

著者紹介

飯田 剛史(著者):1949〜2016年。京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。富山大学名誉教授。専攻は比較社会学、宗教社会学。著書に「在日コリアンの宗教と祭り」など。

内容

 デュルケムの提出した問題構成を継承・発展させる試みが、さらに追求されなければならない。この問題意識のもとに、9.11テロ、大本、生駒山地、在日コリアンをフィールドとして、現代の聖と俗のあり方を調査する。 第Ⅰ部ではデュルケムの理論を検討し、今日的な継承を試みる。また、第Ⅱ部以降の事例研究に対する理論的指標ともなる。 第1章では、デュルケムの集合意識理論の応用を試みる。〈集合表象-集合力モデル〉によって、9.11同時多発テロからイラク戦争までの一連の政策決定と、マスコミと世論との結びつきの過程とを解明する(付英訳)。 第2章では、デュルケムの儀礼論を、サイバネティクスより組み立てた〈集合力-象徴モデル〉によって分析し、このモデルの問題点をハレ-ケ-ケガレ図式とカオスの観点より確認する。 第Ⅱ部では、現代日本の宗教、とくに京都市内の大本信者と生駒山地の宗教について検討する。 第1章では、現代日本の宗教に意識面と構造面から接近。まずは世論調査のデータから日本人の宗教意識を探り、つぎに多様な日本宗教への分析的構造枠を仮説的に提示する。この構造によって日本宗教の諸形態を概説し、「宗教回帰」というトピックを分析する。 第3章では、諸宗教が雑居し、都市大衆の現世利益に応える一大マーケットのごとき生駒山地の民族宗教を、石切神社から辻子谷をへて宝山寺にいたる山越えルートをたどって探訪する。 第4章は、作家にして政治家、天台宗大僧正・今東光の著作に、生駒・八尾の民族宗教の記録を読み解く。 第Ⅲ部は、在日コリアンの宗教調査が中心である。 第1章では、とくに大阪の済州島出身者社会に焦点をあてて在日コリアンの宗教を紹介し、新たな文化創造の過程を追う。彼らの多様な宗教的状況を宗教集団の結合形態と文化機能の観点から整理し、文化の創造主体として捉え直す。 第2章は、1980年代の調査(大川端、箱作海岸、韓国済州島)による、済州島出身者の民間賽神儀礼の記録である。 第Ⅳ部では、在日コリアンの民族まつりの創始(1980年代)、展開(1990年代以降)、およびその課題を概説する。創始期のまつりにおいて聖性を帯びた「民族」はユートピアとも表現でき、在日コリアンであることに誇りを与えた。展開期には日本人も参加するようになり、多文化共生政策とも相俟って、様々な民族まつりが全国で開催される。最後に、今後継続していくための課題を指摘。 デュルケム理論を発展的に継承し現代的な展開を試みる、著者積年の研究成果を凝縮した集大成。

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