多民族社会の軍事統治~出土史料が語る中国古代~
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内容
目次
はじめに ――共同研究の経緯と問題の所在 Ⅰ 研究動向篇 第1章 中国古代軍事史研究の現状[宮宅 潔] はじめに 1●欧米における中国軍事研究――三つの“Introduction”から 2●中国における軍事史研究 3●日本における中国軍事史研究――秦漢時代 4●「軍事」への注視と史料の洗い直し 第2章 「闘争集団」と「普遍的軍事秩序」のあいだ ――親衛軍研究の可能性[丸橋充拓] はじめに 1●親衛軍研究の近況と展望 2●親衛軍の二面性 3●隋唐軍制理解への波及 おわりに Ⅱ 論考篇 第1部 「中華」の拡大と軍事制度:占領支配の諸相 第3章 征服から占領統治へ ――里耶秦簡に見える穀物支給と駐屯軍[宮宅 潔] はじめに 1●穀物支給簡の分析 (1)穀物支給簡の形状と書式 (2)記載内容の分析 (3)穀物支給の実態 2●戍卒への穀物支給 (1)兵種と支給方法の関係 (2)穀物の貸与とその償還 (3)食糧自弁の原則とその限界 おわりに 第4章 秦代遷陵県の「庫」に関する初歩的考察[陳 偉] 1●職掌 2●吏員 3●徒隷 4●関連問題 第5章 漢代西北辺境防備軍の社会構造 ――出土史料の分析に基づく方法論的考察[エノ・ギーレ] はじめに――典籍史料から 1●研究上の課題と関連する問題 2●理論上の土台と軍事制度 3●徴兵の仕組み 4●研究状況 5●肩水金関漢簡から得られる情報と方法論上の問題点 第6章 漢代長城警備体制の変容[鷹取祐司] はじめに 1●戍卒出身地の変化 (1)戍卒の出身地記載があり年代が確定できる簡の集成 (2)肩水金関址出土戍卒簡の時期分布 2●成帝中期以降における戍卒の出身地変化の背景 (1)「住―歳―更」制の動揺 (2)「庸」の拡大とその問題化 3●居延における長城警備体制の変容 (1)居延地域の戍卒総数 (2)吏卒家属の烽燧同居 (3)戍卒の「庸」化と家属同居 (4)騎士の烽燧勤務 おわりに 第2部 軍事制度よりみた古代帝国の構造 第7章 秦漢「内史―諸郡」武官変遷考 ――軍事体制より日常行政体制への転換を背景として[孫 聞博] はじめに 1●秦及び漢初における「内史―諸郡」の武官の対等構造 2●武帝以降における地方武官の「辺地化」の趨勢 3●後漢の軍事組織の「辺地化」と地方の屯兵 第8章 漢代における周辺民族と軍事 ――とくに属国都尉と異民族統御官を中心に[佐藤達郎] はじめに 1●漢代における周辺民族の軍事動員とその歴史的影響 2●漢代における周辺民族の管理 (1)属国都尉 (2)「異民族統御官」 3●属国都尉下の諸民族管理と軍事動員 (1)属国下の諸民族管理 (2)軍事動員 (3)軍役以外の諸雑役への使役 4●「異民族統御官」下の周辺民族管理と軍事動員――特に烏桓校尉、護羌校尉の場合 (1)烏桓校尉 (2)護羌校尉 5●「帰義蛮夷」をめぐって 第9章 漢帝国の辺境支配と部都尉[金 秉駿] はじめに 1●部都尉は異民族を主管する特殊機構か 2●部都尉は郡県に比べて緩やかな政策を展開したか 3●部都尉は郡都尉とは別の特殊組織か 4●部都尉は異民族の民事を統御する「治民機関」か おわりに 第3部 「中華」の転換と再編:多民族社会における軍事と支配 第10章 前秦政権における「民族」と軍事[藤井律之] はじめに 1●前秦の兵力 (1)前秦史概観 (2)兵力動員数の推移 (3)動員兵数増加の要因 2●石刻史料にみえる「民族」と軍事 (1)鄧太尉祠碑と広武将軍□産碑 (2)「雑戸」と軍事 (3)前秦梁阿広墓誌 3●氐戸の分徙 おわりに 第11章 北魏道武帝の「部族解散」と高車部族に対する羈縻支配[佐川英治] はじめに 1●高車伝「得別為部落」条の検討 2●道武帝と高車諸部族 3●柔然の勃興 4●護高車中郎将と附国高車 おわりに 第12章 唐前半期における羈縻州・蕃兵・軍制に関する覚書 ――営州を事例として[森部 豊] はじめに 1●唐代営州の沿革 2●営州管内の羈縻州と軍府 3●初唐期の行軍と契丹系軍府 おわりに 第13章 唐代高句麗・百済系蕃将の待遇及び生存戦略[李基天] 1●問題の所在 2●唐前期における蕃将中の諸衛将軍の任命傾向 3●高句麗・百済系蕃将の入仕類型 4●高句麗・百済系蕃将の武官号及び唐朝の待遇 5●蕃将の勢力基盤 6●結びに代えて――唐朝の蕃将に対する認識及び蕃将の生存戦略 後記 索引
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