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免疫の科学論~偶然性と複雑性のゲーム~

フィリップ・クリルスキー  著

矢倉 英隆  翻訳
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価格 \5,280(税込)         

発行年月 2018年06月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 378p,28p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/基礎医学/免疫学
ISBN 9784622086932
商品コード 1027548581
NDC分類 491.8
基本件名 免疫学
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2018年07月4週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1027548581

著者紹介

フィリップ・クリルスキー(著者):1942年生まれ。パリ大学で博士号(科学)を取得。フランス国立科学研究センター研究部長を経て、コレージュ・ド・フランス教授に就任し分子免疫学の講座を担当。パスツール研究所所長。

内容

免疫は細菌からヒトまでほぼあらゆる生物に具わり、病原体や、がんなどの内部異常に休みなく対処している。日常的に「免疫力アップ」が話題にのぼり、がんの免疫療法も普及しつつあるが、免疫はとらえがたい。特定の臓器に収まるのではなく、全身に広く深く組み込まれ、集合と離散をくり返す。実体というよりも偶然が織りなす複雑性の連鎖のようだ。免疫はよく「異物を排除する」と言われるが、実際はそれほど単純ではない。異物を敢えて完全に排除しないことで効果を発揮する場合もある。自己と非自己の境界も曖昧だ。知れば知るほど免疫の謎は深まり、だから面白い。本書はこれまでの免疫の本とは、かなり異なる。主題はヒトの生体防御だが、第I部で免疫を進化の文脈で大きくとらえ、その働きを工学の用語である「ロバストネス」によって概念化する。第II部ではその装置を「モジュール」に分け、構造とつながりを分析的に調べてゆく。そして第III部で、ヒト免疫系の全体像を描き出す。さらに本書全体に、既存の思考枠組みを揺さぶる警句があふれている。「自然免疫と獲得免疫は混じり合っている」「特異性の低い反応の組み合わせが、高度に特異的な認識に導く」「自己と非自己の識別は、メカニズムの多数性の産物でしかありえない」「全体の動態だけが最適化を達成することができる」「免疫系はじつは、海面に見える生理学的氷山の一角にすぎない」打ちひしがれるほど精巧で複雑な免疫の全体像に迫るには、仕組みの理解にとどまってはならない。フランスの学問的伝統が最良のかたちで活きた、新しい免疫の学。

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